第10話

そういや、薬何処行った?


「つばきさ~ん

 薬知りません?」


「薬?」


「はい。

 連れてこられたときに持ってた袋ですよ」


「あぁ、あれか。

 捨てた」


「え?

 何でですか?」


「いらねぇだろ」


「否いります」


「あ?

 お前病気持ってねぇだろ」


「ウッ

 まぁ、そうですけど」


「ならいいだろ」


「分かりました。

 部屋に引っ込みます」


「待て」


「何です?」


「・・・何で三年前に家出したんだ?」


「あぁ、あれですか。

 家出したい気分になったんです」


「そうか。

 難しいな」


「まぁ、反抗期でしたからね」


「それは、今もだろ」


「そうですか?」


「あぁ、勝手に犬を拾ってきたりしたり、

 俺に隠し事するよな」


「何のことです?

 少し用事があるので部屋に戻りますね」


「そうか」


 急いで部屋に向かうが、わざと過ぎたか。


 ミスったなぁ


 あの人に嘘が通用しないのを忘れてた。


 あの感じだと全部報告されてる感じがするな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る