飼われている私は犬を拾いました!

天川星夜

第1話

「死ねー‼」

 

 皆さん、こんにちは。

 今私は殺されかけています。


「誰が死ねって言われて死ぬかよっ‼

 馬鹿かっ?!」


「馬鹿じゃないわ‼」


「ツッコミのキレがいいわ」


 え?

 ツッコミのキレよすぎじゃない?


「貴方、何で私の命が欲しいの?」


「命令されたから」


「ふ~ん」

 

 よしっ‼

 決めた


「今日から君は私の犬だ!」


「は?」


 うんうん、私は犬をゲットしました。


 飼い主には別に報告しなくていいや。


「何うんうん頷いてんだよ。

 こわっ」


「うるせぇ、

 犬のくせに」


「犬じゃねぇわ‼

 ならねぇし」


「けど、いいの?

 お前、どうせ捨て駒なのに?」


「だから、何だよ」


「ま、早々警戒しなすんなよ」


「あ?

 警戒すんだろ」


「まぁ、そうだよねぇ。

 君、大切なものでも人質にされてたりする?」


「何で分かった?」


「勘だよ」


「へぇ」


「あ、疑ってやがる。

 酷~い。

 ただの一般ピーポーなのに悲しっ」


「ただの一般人に暗殺者なんて送られねぇよ」


「まぁ、私は一般人だよ。

 飼い主が何かしたんじゃない?」


「有名だもんな。

 お前の飼い主紺野椿こんのつばきは」


「そうだね。

 結局犬になるの?」


「そうだな。

 お前の犬になる」


「契約成立だ。

 裏切るなよ?」


「勿論」


「そういえば、

 名前何?」


「・・・・・忘れた」


「じゃあ、名付けてあげるよ。

 君は何時生まれだ?」


「夏」


「なら、君の名前は桔梗ききょうだ」


「分かった」


「あ、やっぱ言いにくいから、

 きょうでいいや」


「分かった」


「恭しいの漢字ね。

 これから、よろしくね?」


「こちらこそよろしく」


「さ、帰るよ。

 家に帰ったら風呂に入ろうね。

 汚いから」


「そんなに汚いか?」


「うん」


「そうか」


 襲われたのが家の近くでよかったよ。

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