攻略の話

【赤緑青】ヒトカゲ vs タケシのイワーク

 ツイッターには定期的に話題になるネタというものがあり、表題の件もその一つである。すなわち初代『ポケットモンスター(赤・緑・青)』で、最初にヒトカゲを選んだプレイヤーが、最初のジムリーダーであるタケシのイワークに挑んだという話だ。そして苦戦しただの、挙句の果てに「詰んだ」だの吹き上がったり、あるいはリメイク版(ファイアレッド・リーフグリーン)と比較したりといった具合に話が進む。


 しかし、それなりにこのゲームをプレイしている(あるいはその記憶がある)方であれば、「別にヒトカゲでもタケシに苦戦なんてしなくね?」と思ってしまう。もちろん初見プレイは別である。奴の「我慢」の効果を知らずに攻撃を続けて、ダメージを倍返しされて一撃で倒されるという道は、ノーヒントなら一度は通るはずである。


 だが、しょせんは初見殺しである。イワークはヒトカゲに対して、それ以外のまともな攻撃手段を持っていない(イワーク自身が持つ岩や地面タイプの技ならヒトカゲに大ダメージを与えられるが、ノーマル技しか覚えていない)。「我慢したら攻撃を控える(反射ダメージを蓄積させない)」という鉄則にさえ気づけば、レベル上げなどせずにストレートにタケシに挑んでも何の問題もなく倒せる(むしろ、「つるのムチ」を覚えるのが遅いフシギダネのほうが遥かに苦労する)。


 さらにリメイク版の話に飛んだ場合、「ヒトカゲがメタルクローを覚えるようになったので楽に倒せるようになった」とのたまう者まで出てくる始末。これは明確に誤りである。確かにメタルクローで弱点を突けるが、そのダメージは「火の粉」に多少勝る程度(性格次第では火の粉のほうが強くなる)。逆にイワークのほうは「岩石封じ」で炎タイプの弱点を突くようになったので、ヒトカゲで挑む場合の難易度は明らかに上昇している。


 我々のような人種はこのような「一般人」のデタラメや勘違い、記憶違いを見るたびに呆れてしまうのだが、同時に仕方ないということも理解している。同じゲームを何度もプレイして状況を比較したり、何十年も前にプレイした内容を詳細に覚えていたり、あるいは改めてデータを調べて検証したりするほうが間違いなく少数派なのだ。「わけもわからずプレイしてイワークから大ダメージを受けた」「リメイク版では弱点を突けるようになった」という断片的な記憶だけが残っているほうが、おそらく多数派なのだろう。


 さて、私は去年あたりからレトロゲーム関連の文章を書くようになった。私が読者として想定しているのは「少数派」なのか「多数派」なのか。改めて考えてみても、結局はどっちかつかずになっているような気がするのだが、それはそれで別に構わないのかも知れない。

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