脱出

「浄化の光!」


わしは男に浄化をかけた。するとどうだろう。

「ぐ、ぐおおお!」

男は急にしおらしくなるとこう言った。

「俺は一体こんな小さな子供に何をしていたんだ……お嬢ちゃん早くここから出るんだ。兄貴が返ってこないうちに……!」

効果てきめんじゃった。

まさか浄化にこんな使いかたがあるとはのぅ……

「よし、兄貴はまだ戻ってきていないな……」

わしは案内されるがままに人さらいのアジトをでた。

「助かったわい。お主に祝福を授けよう…」

なかなかにマッチポンプだったがまぁよいじゃろう。

するとそこへ男が返ってきた。

「おめえら、何してやがる!」

「兄貴!こんなことはもうやめましょう!」

「血迷ったか!?聖女に何を吹き込まれた!?」

「わしは何も吹き込んでなどおらぬ」

ただ神力でちょちょいのちょいじゃ。

「馬鹿野郎が!どけ!」

兄貴とやらがわしに迫る。が、それを子分が遮った。

「ここは俺に任せてお嬢ちゃんは逃げるんだ!」

「分かった…」

わしは一目散に走り出した。

うしろから「何だこの馬鹿力は!」という声が聞こえてきた。


脱出したわしはとりあえず教会に戻ることにした。

せっかく脱走したのに出戻りとは悲しいのぅ……

帰る途中。アルクとセレナに出会った。

「勝手にいなくなるな。心配しただろうが」

「そうよ。一人で出歩くとあぶないわ」

「すまぬ……」

わしは今までのいきさつを話した。


「ふむ。そいつらは最近王都でよく出るという人さらいグループに違いない」

わしはアルクに人さらいのアジトの場所を話した。

「わかった。後は任せておけ」

「頼むのじゃ」

その後アルクは10人程度の王国兵とともにアジトに向かったが。その頃にはもう奴らは逃げた後だった。

アジトにはわしの他に3人の子供がいたらしい。そやつらは保護された。

その後、記憶魔法でわしの見た犯人たちの人相描きをつくった。

そんな調子で聖女誘拐事件は幕を閉じたのだった。


それ以来当然わしの警護は厳しくなった。


なんで、こうなるんじゃ~~!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る