第20話到着

「はぁはぁ、やっと、やっと森を抜けれた。」

 二、三日で目的地につけると思っていたのに、この森を抜けるだけで一週間もかかってしまった。食事は念のために少なめにとっていたが、三日も飲まず食わずで生活している。痛みを感じないおかげで頭痛などの痛みは全くないが、立ちくらみがすごいする。おそらく脱水症状が起こっているのだろう。

 さっきまでずっと同じ方行に向かっていたナビが、やっとしっかり方向を指してくれた。

ナビの指す方向に歩いていく。とりあえず水が飲みたい喉がからっからだ、口から少しだけ出てくる唾を喉に流しこんで喉の渇きを誤魔化す。

 夜なのに電気がついているとこがすくないせいで少し不気味に思う。しかも周りを見渡しても人影が全くないのも相まって不気味さが余計に増しているように思う。

 ナビが終了しましたとスマートホンに表示された。周りの家と比べると少し大きいな、龍二ていう人はお金持ちの家庭の人だったのかな。まだ電気がついてるな、とりあえず呼び出してみるか。ドアホンのボタンを押すとピンポーンという電子音がすぐになった。とりあえず龍二の名前を出して、すぐにこの手紙を渡そう。

「はーい、どうされましたか。」

 疲れているような重い女性のかん高い声が聞こえてくる。

「夜分遅くに申し訳ありません、龍二くんのことで少しお話があります。」

「何か情報があるんですか!!」

 俺が話し終えた瞬間すぐに反応してきた。龍二の身をとても案じていることがよくわかる。だがこの人に俺は絶望を今から与えることになる。覚悟はしてきたつもりだったが、思った以上に心が締め付けられる。

「はい、とても重要なことです。」

「少々お待ち下さい、玄関に向かいますので。」

 大きく深呼吸をして、心拍数の上がった心臓を落ち着かせる。封筒の中身を確認するために、封をおぼつかない手で開ける。封を開けたると、中でベリっと少し嫌な音が鳴った、恐る恐る封筒をみると封筒の中に仕切り紙がついてあった、破れたのではないかと少し心配になったが安心した。ノリか何かで止められていたせいで全く気づかなかった。仕切り紙をのけるともう一枚手紙が出てきた。

「あの、遅くなって申し訳ありません。」

 玄関を見ると少し痩せこけた女性が額から汗を流して出てこちらに近寄って言うくる

「こ、こんばんは。」

女性の容姿を見て少し萎縮してしまった。すると女性は優しく微笑みかけてくれた。

「さぁ、入ってください。」

 門を右手で開け、左手で家の中を差している。

「フゥ、わかりました。」

 震えた足を家の中に向かってゆっくりと運んで行った。

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