第11話手紙2
なんだこの俺宛に手紙、誰からだまさか克馬か。あいつ俺がこの本を後回しにして最後に見るって予想してこんな凝ったことしてきたのか、とりあえず開けてみるか。
ビリッと、中に入ってある手紙を傷つけないようにゆっくりと開け中身を出し差出人の名前を探してみてみる。
「酒井 龍二、、、誰だこれ。」
全く聞き覚えも、身に覚えもない名前がそこに書いててある。俺は記憶をなくしてからこの屋敷から一切出ていなのになぜ、なぜ俺宛に手紙が出されたのか全くわからない。考えるに記憶を無くす前の俺の友人と言ったところだろうか。何はともあれ読まずにはことは進まない、とりあえず読んでみるとしよう。
その手紙には、なぜ蒼梧が記憶を無くしたのかそしてここにきてからのことが明確に記されてあった。
「フゥゥーー、どういうことだこれ、俺がここにきてからのこと。信じられないだが、この文には妙な信憑性がある。まさかまさかな。」
表を読み終わり裏に返してみるとまだ手紙が続いている、近衛克馬への不信感と嫌悪感がふつふつと湧いてくる、まだ読んでいない文の量を見ると身が凍えるほどに震えてしまう。
蒼梧、単刀直入に言わせてもらう君は近い将来、近衛克馬に近い将来必ず殺される。奴は君の再生能力を目当てに殺してくる、奴の異能力は殺した者の異能力を奪う能力だ、しかも奴はその能力を人に与えることができる。俺の暗示をかける能力を奴から渡されて俺の能力も飛躍的に能力が向上した。おそらく君も異能力を渡してくるはずだ、それは君の再生能力を向上させるためのものだ、君が強くなるとかそういうのは一切考えていない。自分の目的のために君に異能力を渡すだけだ。
蒼梧、絶対に奴を信じるな、近衛克馬という男は君のことを自分の目的のために必要なものとしか思っていない、絶対に奴のことを信じてはならない。
俺は、奴に自分の家族を人質に取られている。蒼梧俺の代わりに奴を殺して俺の家族を助けてはくれないだろうか。俺には残念ながら奴に、一矢もくいることさえできなかった、だけど君ならその力があるはずだ。頼む俺の家族を助けてやってくれ。
もしも、奴を殺したのならこの住所に行くといい。俺の家族がいるはずだ。
そういうことだったのか、記憶を消されてから初めて近衛克馬を見たときの不信感、だが最初の不信感を除けばなにも不穏な空気を感じない。だからこの文を見てはいそうですかとはうなずけない。こうしよう異能力を克馬が俺に与えてきた場合にこの手紙を完全に信じるそういうことにしよ。こう考えてみてみるもののやはり克馬の不信感は全く消えない。
「フゥゥーー、ほんとになにを信じたらいいのやら。」
手紙をポケットに入れ本を全て本棚に戻し、部屋をあとしにした。
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