感想③

「水色の鳥は天色を夢見る」日浦海里様

https://kakuyomu.jp/works/16818093089509041818

 情景描写が美しく、上質な随筆を読んでいるような気持ちになりました。日浦様は詩や短歌を書く方のようなので、言葉の選び方が繊細で一瞬の風景を切り取るのがお上手だと思いました。文章の中に永遠を封じ込めるような情景の描き方は、息をするのも躊躇われる静謐さと緻密さに満ちています。一口に「青」と言っても微妙に違っていて、色を扱うことも多いとりちゃんは、日浦様の表現にうっとりいたしました。

 色にまつわる描写が多いにも拘らず、侘び寂びというか、水墨画にも似た風景が浮かんできました。可愛らしい声で囀る小鳥の正体や湯気の昇る様も「見立て」の美学のようですね。日常の中にもこんな素敵を感じて生きていきたいものです。


「頭の中の幽霊」みかみ様

https://kakuyomu.jp/works/16818093089637126652

「幽霊」という単語に畏れ慄きながら覗き込んだみかみ様の世界は、キラキラとプリズムが煌めくような美しい情景が広がっていました。中学生の頃からリアルな幻覚に悩まされてきた主人公ですが、自然現象が主であるならば、「幽霊」と名付けた現象もそんなに怖くないようです。冒頭の雨のシーンが好きです。妄想癖のあるとりちゃんなので、リアルな幻覚を見て電信柱やバス停に激突することは日常茶飯事で、主人公に共感を覚えました笑。

 ファンタジーのようでいて、しっかりと現実的な部分も描かれており、悲しい出来事があるにしても、その後の彼の成長と明るい未来を予想させるラストにも感動しました。何より構成も中盤の盛り上がりも素晴らしく良くて、安心して余韻を楽しむことが出来ました。


「はみ出し者のデク」しぇもんご様

https://kakuyomu.jp/works/16818093089763829818

 箱推しありがとうございます。とりちゃんはしぇもんご様のファンなので、今回イラストを担当させていただけて光栄です。

 キャッチコピーからしてカッコいい予感しかしないと思っていたら、読み始めてすぐに「すきぃぃぃ!!」という鳴き声の鳥になりました。(あちこちで散々言っている)

 物語を読む時は、無意識に色や映像がすぐに思い浮かぶかどうか考えているのですが、この作品では、動植物が死に絶えた近未来、遮るものもない抜けるような青空の下、荒涼たる黄土の砂漠を歩く一人と一匹がすぐに浮かびました。ネタバレを防ぐ為か外見の描写は少なめですが、デクは絶対イケメンだろうと思っていました笑。後半は一転、サイバーパンクな雰囲気で、最後まで一気に読んでまた叫びました。「すきぃぃぃ!!」最高です!

 アホな感想ですみません。(*ノωノ)

 

「ファンサイラスト②」(勢いあまって三枚描いて一枚のみ公開です)

https://kakuyomu.jp/users/toriokan/news/16818093091765275534


「ガットを編む」@nakamayu7様

https://kakuyomu.jp/works/16818093089721322718

 ものづくり系のとりちゃんは、バドミントンのガットを「編む」という言葉に惹かれて読み進め、少女たちの眩しい青春に目を焼かれそうになりました。

 ボーイッシュで職人気質のひかりさんが請負で部員たちのガットを編む、それを見守るさなえさんの優しい眼差し。ひかりさんが口ずさむパッフェルベルのカノンのように、二人の甘やかな感情や仕草が丁寧に積み上げられていくような素敵な物語でした。

 バドミントンは激しいスポーツだと聞いたことがありますが、作中の「編む」という「静」と試合中の描写の「動」がメリハリが効いていてとても良かったです。

 主人公二人以外の登場人物も良かったですね。試合中にラケットの交換に来たみずは先輩の「任せとけって! 私を誰やと思ってんの?」というセリフがかっこよくて惚れてしまいそうでした。


「読みバイトを脱出せよ〜埋もれずに読まれるために〜」雨宮 徹様

https://kakuyomu.jp/works/16818093089816141272

 ディストピア的近未来、レイ・ブラッドベリの「華氏451度」では本を読むことを禁止された世界でしたが、この作品は国民の読解力を上げさせようとする政府の法令で「闇バイト」ならぬ「読みバイト」をする主人公の物語です。この主人公はなんとかして読みバイトから脱出しようと試行錯誤します。我々物書きをハッとさせる展開です。創作論を多く書かれているという作者様ならではの物語ですね。

 創作論として読んでも勉強になるし、実際にありそうな未来として読んでも面白かったです。わかるわかると頷きながら読みました。果たして政府の本当の目的は、テンプレを多く読ませることによって、華氏451度とは真逆の方向で思考力を奪うことだったのではないかと深読みしてしまいました笑。

 暗闇にキラリと光る一筋の皮肉アイロニー。オチにニヤリとさせられます。


 皆様、素晴らしい作品をありがとうございました。


引用:レイブラッドベリ「華氏451度」

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