豆腐小僧の、お正月!

崔 梨遙(再)

1話完結:900字

 豆腐小僧には恋人がいる。名前は京香、普通のOLだ。いや、普通ではない。普通よりも少し顔やスタイルは見劣りする。だが、愛嬌があって人から好かれる素質を持っていた。


 豆腐小僧は、そんな京香のことが好きだった。ちなみに京香は眼鏡っ子だった。


 豆腐小僧は、大晦日を京香のマンションの部屋で過ごした。京香の作った年越し蕎麦は美味しかった。


 それから豆腐小僧は京香に新年の挨拶をして、京香に10万円のお年玉をあげた。もらった京香は驚いた。京香の豆腐小僧に関する知識は少なかった。働いているのは知っている。飲食店らしい。だが、それ以上は何もしらない。京香はそれでも良かったのだ。豆腐小僧のかわいい童顔にいつも癒やされている。その癒やしは、最早京香にとっては無くてはならないものになっていた。


 だから、京香は言った。


「豆腐小僧ちゃん、今年は結婚しようか?」

「え?」

「ずっと一緒にいたいなぁとか、毎日会いたいなぁって思うから。結婚してよ。大丈夫よ、あなた1人くらい養ってあげるから」

「京香は僕のどこが好きなの?」

「小柄で童顔でかわいいところ。いつもソフトで優しいところ、一緒にいると癒やされるところ」

「僕は京香ちゃんの優しいところ、気を遣ってくれるところ、良い臭いがするところが好きなんだ。それに肩書きや年収を気にせず付き合ってくれる京香が好きなんだ」

「じゃあ、結婚してくれる?」

「うん、こんな僕と結婚したいって言ってくれるなら、京香と結婚したい」

「良かった。私、あなたのことあまり知らないけど」

「僕は豆腐料理の店を3店舗展開している年収3千万以上の社長なんだ」

「えー!」

「みんな、僕の肩書きや年収が目的で近寄ってくるから、内緒にしてたんだ」

「そうなの? あなたは私でいいの?」

「僕は京香がいいのだ。じゃあ、婚約だ。スグに婚約指輪を用意するから」

「じゃあ、今夜は結ばれようか?」

「うん!」



「豆腐小僧ちゃん、どうしてベッドに来ないの?」

「初めてだから、優しくしてほしいんだ……」







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