第12話 空も飛べるはず
ああ、夏休み。
父もパー子のN研の休み(というか「すき間」)に合わせて夏休みをとった。
「6年生の来年は有り得ねえ」ということで、3泊4日の家族旅行へ行くことに。
「普段がんばっているから」とご褒美のつもりで計画した旅行だったのだが、本日(旅行2日前)実は見直していない夏休み中のテストが4回分、学校の宿題も手付かずであることが判明。
学校の宿題も学校の宿題で、「国語の教科書写して来い」という手抜きの、そのくせ手間と時間はかかるというモノ。宿題代行業なんてモノが結構流行っているらしいが、その裏をついた「大人がやったら字でバレバレ」というパターン。嫌味で父がパソコンで打ってやろうかと思った。
さて、パー子は「今日明日中に全部宿題をやっちまえ」という至上命題を受けたにもかかわらず、寝転がって本を読んでいる。
父 「おいっ!何時からやるんだ?間に合うと思ってるのか?」
P子「あ、大丈夫大丈夫」←最近「ハイ」と返事したこと無し
父 「お前、終わらなかったら連れて行かないからな。独りで家で宿題だぞ」←受験雑誌などで「言ってはいけない」とされる「脅し」
P子「分かってるよ」(「ハイ」と言え!)
父 「お前今午後2時だろ、自由研究に漢字と計算、明日のテスト予習で・・・終わるかよっ!」
P子「大丈夫だって~今から1時間で自由研究終わらせて・・・」
父 「1時間で自由研究だぁ?(キレる寸前)お前はきっとその調子で空も飛べるんだろうよっ」
P子「空ね~、空飛べるかもよ、(何かに憑かれたように)ああ、空飛べそう…」
何だか目は宙を泳いでいるし、幽体離脱したような状態。
父 「じゃあ、俺たちは飛行機乗るから、お前は空飛んで来い!」
P子「ハイっ!」←元気良く
夕方弟のペーが飛行機事故のニュースを見て「僕旅行行かない。飛行機怖い」と言い出す。
次に地震のニュースでペーは「地震怖い。ね、飛行機で空飛んでたら地震には遭わないよね」
父 「おう。いいか、ペー。だから地震が来たらジャンプしろ。少なくとも空中にいる間は地震の被害に遭わないぞ」
P子「お~なるほど。やっぱり空飛べたほうがいいねえ」
おいおい、お前は宿題終わらせろ!
さて、あさっての朝、P子は旅立てるのでしょうか?きょう父の頭の中では、スピッツの「空も飛べるはず」が鳴りまくっていました。
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