第11話 勉強中のパー子はエンターテイナーである

小学5年生の夏8月


 パー子は独りで机に向かっていても、なんやかんや独り言を言っている。

 集中してないのかと思いきや、それなりに問題は解いている。


 先日あきれた妻はそっとパー子の勉強の様子を録音した。


 (録音開始すぐ)

「チョー、アチョー!」←?


(1分後)

「♪♪ノーモークライ~♪♪ミルモでポンッ!」←?


(すぐあと)

「ゆうきせつセンスねー!腹立つ!」(「ゆうきせつ」とはミルモでポンの主人公らしい)


このように全く勉強と関係ないセリフや歌が間断なく延々続き、その合間に奇声が聞こえる


(5分後)

「ミーンミンミン、ミーンミンミン、セミだしっ」←?


(直後)

「アチョ、アチョー」


(11分後)

「ママ~お腹すかなくない?」


20分後、初めて勉強をしているらしい声が!

「最小公倍数かよっ!この問5めっ!お前なんか楽勝の湖!な~んて♪」←大馬鹿野郎


その後、妻に録音を聞かされたパー子は大いに恐縮していたが、さっきも延々しゃべり続けて勉強していたので、父に「黙ってやれ!」と怒鳴られました。


 ほかのうちの子もこんなにしゃべったり歌ったりしながら(あるいは奇声を上げながら)勉強するの?

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