第7話 岐阜人な算数

 N研の算数の問題は大人でも難解なもの、解けないものが少なくない。


 そんな時、自分は「これはお前に解けなくてもよし」とパー子に言うのだが・・・

 

 「大人でも解けない」というのは訳がある。


 つまり方程式を習っていないし、累乗や平方根も使わないから図形で言うとピタゴラスの定理で解けるような問題は、エックスだのルートだの使わずに工夫して解くことが必要なのだ。


 しかし!そんな問題でもテスト結果を見てみると、解いている子が数%だが、いるのだ。


 「こいつら絶対方程式使っているよ」


 私は時々妻にこぼすのだが、N研では方程式は禁止らしい。試験で途中式を書かせる学校もあるらしく、方程式を使っているとNGという話もある。


 妻にきょうも算数の問題を眺めながら

 「理不尽じゃのう」とこぼした。


 するとパー子が

「いや~今度聞いておくね」


父 「?」


P子「みんな東京の人ばかりだからねぇ」


父 「?」


P子「先生は岐阜人なんだ~」←まじめ


P子には「理不尽じゃのう」が「岐阜人じゃのう」と言ったように聞こえたらしい。


父 「ああ、先生はきっと岐阜人だろうよっ!」←やけクソ


父がなぜ夜遅くに算数の問題を眺めながら「方程式を使わせないとは…岐阜人だ…」などとため息をつかなければならないのか?


その理不尽さに気付くことからP子は学習を始めなければならない。


こういうことが度重なると、スタート地点で既に後方数キロのところから走り始めていたことを今更ながらかみしめさせられるのだ。


ところで岐阜人の先生方、やはり方程式はダメですか?算数で難しい問題を出していませんか?「やっぱ、岐阜人じゃのう」と言われぬよう、易しい問題を何卒よろしくお願いします。


岐阜人のみなさんすいません。P子のせいです。

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