水の色に染まる

@dayLight55

第1話

人は、ほぼ水でできているといわれている。実際に人は、水であり、それぞれ水には色がついている。

色をみれば、その人の大体の性格や今の健康状態などが分かる。ただ、人はそれを見ることができない。だが、その逆で見れる人(?)がいて、、、

桜井凛と言う―

。。。。。。。。。。⚪🟡🟢⚫🔵🟤🟣🔴🟠。。。。。。。。。。。


「何あの人〜、マジウケる~」

通りすぎるギャル達。

「お母さんあの人どうしたの?」

「頭がおかしい人だから見ちゃ駄目よ。」

通りすぎる親子連れ。。。

いろいな人にズタボロに言われながら今日も出社した。

「桜井さん、いつもアイマスクつけて会社来るけど、視界見えているの?どうやっているの??」

毎朝アイマスクをつけて出社している私に興味を持っている、話がなかなか終わらないおばちゃんが毎朝しつこく聞いてくる。

「まあ、長年の感覚で目が見えなくても歩けるんですよ~、自分でもすごいと思っちゃう能力です〜」

まあ、こんな感じで言えばウザがられてだいたいは話が、「そうなの〜?」とか一言言ってきていつも会話は終わる。

そしてなんとなくで仕事を済まして定時で帰る。

帰りもアイマスクをして。

夜は朝よりズタボロに言われる。変人でたまに不審者がられてバックで殴られたり、たまに酒に酔ったおじさんが絡んでくるときもある。そういうときは、だいたいダッシュで逃げる。

私の安全圏は、自分の家しかない、、、。

私は玄関で脱ぎ捨てるようにアイマスクを取り

「ただいま〜」 

と言うと、

玄関の奥から、ワン、ワンッとつぶらな瞳で私の帰りを待ちわびてくれていた、犬の「ムギ」が猪突猛進の勢いで迎えてくれる。

「ただいま〜ムギ、元気だった?」

まず、最初に手を洗って。。ムギにエサをあげる。

ムギの「色」は明るく眩しいくらいのオレンジ色をしている。嬉しいと感じている時には例えると色の周りにキラキラのラメみたいなものが見える。綺麗な鮮やかな色が見られるから私はムギの嬉しそうな姿をみるのが大好きだ。

よし、私もご飯食べるか〜。夜遅くなっちゃったからカップラーメンでも作って簡単にご飯すませちゃおうかな〜。そう思って、カップラーメンなどを入れている棚を開けたが、、、空だった、、、

冷蔵庫の中には、、、、風邪を引いたとき用のスポドリのみだけ、、、。

しょうがないな〜、コンビニ行こ。

ムギは、ご飯に夢中で、行ってきます〜。と伝えても無視をしてきた。

玄関でバッチリアイマスクを装備して、我が家から徒歩5分にあるコンビニに行く。

さすがにコンビニの商品一つ一つをアイマスクだと見えるわけないため、少し手でアイマスクをずらしながら、商品を選ぶ。手に取ったのはいつも食べる、メロンパンと、コンビニ限定のいちごミルクジュース。栄養足りないのが気になるけど今日ぐらいいいよね~という癖で買ってしまう。

レジに出すと、爽やかな声が聞こえた。「おしぼりつけておきますね、ありがとうございました」

そう言って夜にメロンパンといちごミルクを買う、アイマスク変人の私にいたって普通に接客してくれた。

コンビニを出るとき、

「良かったらこれどうぞ!」

と先程の爽やかな店員の声が聞こえた。

振り返りアイマスクを少しずらして店員を見たら、、、、、、、

その店員は見たこともないような、透き通る爽やかな空の色をしていて、そして色の半分だけ無色の部分があった。

「えっ……」

目がおかしいのかとまばたきをしてみたが、色は、変わらない。

「あの、これ。チョコです。甘い物買っているのをみて、生理中とかだと思い、、、よかったらこれ食べてください」

爽やかな声と色を持つ、初めてみた店員がジロジロ見てくる私を不思議そうに見て、そう言って一粒のチョコをくれた。


帰る途中、いつもつけるアイマスクを今日は取り、すれ違う人を注意深く見て自分の目がおかしくないのかを確認した。普通、人や動物の色は、一人1色だ。茶、紫、黄色……確かに、一人1色だ。

なのに、なぜあの店員は、、、。

すれ違う人をガン見しすぎて、みんな不思議そうに私をみていった。

アイマスクをしてもしなくても、人々からの変人扱いは変わらないな。と家に帰っていまさらきずいた。

コンビニで買ったメロンパンといちごミルクジュース、もらった一粒のチョコを食べながら

テレビをつけて、芸能人を見る。。。。。

どんなに有名な人でも人は、一人1色だ。

なぜ色が2色あるのか、考えられる原因は2つで1つ目はその人の、命がなくなりかけているとき。2つ目は、性格に裏表があり激しいとき。だと思う…


どうであれ、初めて見た。あぁ不思議だ。そういえば、あの店員2色だが1色は、無色だったな………

気づけば、気になりすぎて、もう夜中の12 時になっていた。

急いで食べ、布団へ向かった。

ムギは、眠そうに布団に入って待ってくれていたようだ。

「おやすみ〜ムギ」

そう言って、照明を消した。。。


(2話に続く……)











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