君のいない隣席で恋を知る。

白瀬らむ

プロローグ-幼い頃の約束-

いつから仲が良かったか。

いつから一緒にいるようになったのか。

なんて、覚えていない。

覚えてないくら幼いころから、一緒にいるから。

気づいたときには君がいて、わたしがいて。

君がわたしの世界の中心だった。

わたしの隣で笑ってる君。

わたしの隣で泣いてる君。

わたしの隣で怒ってる君。

わたしの隣で寝ている君。

わたしの隣で遊んでいる君。

そして、いつもわたしの手を取って、駆け出していく君。

そんな君が大好きで、大好きで!

離したくなくて、絶対離したくなんかなくて、

ずっと一緒にいたくて、

幼稚園も小学校も中学校も高校もその先も、

ずっとずっとずっと一緒にいたくて!

だから、聞いた。


「わたしと、ずぅっといっしょにいるって誓ってくれる?」


そう聞くと君は、まぶしい笑顔で、言う。


「うん!ずっといっしょ、だねっ」


幼い頃の口約束だとしても、ただの戯言だとしても、君が覚えていなくても。

わたしはずっと覚えてる。

だからわたしたちはずっといっしょ!



はずだったのに───



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

君のいない隣席で恋を知る。 白瀬らむ @shi_rose_ra_mu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ