非常によく練られた構成と細部までこだわった世界観でありながら、難解になったり独りよがりなところがなく、司祭ホランドとともに、安心して(?)激動の渦に巻き込まれていけます。それにしても司祭さま、下着の下に貞操の帯でもお使いになられたほうがよろしいのでは?
冒頭から強烈な対立と謎を提示する、引きの強い作品です。「聖女を認めない王子」という異質な構図が読者の興味を一気に惹きつけます。主人公の内面にある復讐心と冷静な計算が印象的で、ただの善悪では割り切れない魅力があります。また、王子との関係性に潜む感情の歪みが物語に奥行きを与えています。続きで明かされる過去と真実に期待が高まる、完成度の高い導入です。