第5話 引き寄せらる運命

【ルー、起きないな、足痺れてきた】


 俺は膝枕で寝てるルーを見てる。こんな娘が最前線で、みんなをフォローしてくれていたんだな。


 膝枕くらい頑張らないとな。安心してるからこそ、こんなこと出来るんだろう。


それに気がついたミーナは、


【本当にさっきまで戦っていたんだよな。不思議だな。今のお前達が敵とは到底思えない。ルー、嬉しそうな笑顔で熟睡なんて】


ミーナの言葉、そっくり返すよ。


【俺もだよ。こうしていると出会った時のこと思い出す。ミーナ、可愛くてさー】


ミーナは、真っ赤になり、


【そ…そんなこと言っても、逃がすことはしないぞ。それとこれとは別だ】



………………………………………………………



なんだ?この気配は…


※!?※


間に合った…くっ!!


【涼!!なんで庇ったの?】


【なんでって…ミーナ、当たり前だ…】


ヤバい、痛みで意識が…


【涼さん!!止血しないと!】


ルー、起こしちゃったね…ごめん…


【涼をたぶらかしたな!!この女海賊】


【涼を…ふざけるなテメー!!長老の指示か!!!】


【答える義理はないな!!次は容赦しないぞ】


【なんでフェザー?こんなこと…涼さん!!回復するね。頑張って!!!】


何が、起きてる?


駄目だ…もう意識が…



……………………………………………………



【それで連れてきたのか?尾行されてないよな?しかもこんな小娘までも。情深いな、相変わらず】


【逃げなかったんだぞ!!フェザーに騙されていたんだ。ずっと行動していたから解る。とにかく傷の手当てをここでするからな】


【解ったよ。とりあえず、この場所までのメモリーコントロールだけはしておけよ。念の為だ】



誰かと話してるのか?ミーナ…




………………………………………………………




【涼さん!!解る?ねー、ミーナ!!目を覚ました。急いで来て】


【涼、解るか?】


 ぼんやりと、可愛い二人が、俺を心配そうに覗き込んでる。


【ああ…イテテ…何が起きたの?】


ミーナは、


【涼、フェザーだ!!お前が裏切ったと思い込んでいきなり、それで…ありがとう、庇ってくれて】


ルーも、


【涼さん、良かったー。もう大丈夫だと思うけど念の為ヒーリング続けるね】


ルーの手から伝わる回復の魔法、心地よいな。


ミーナは、


【なぁ、お前達、私のチームと行動しないか?レインにはここまでの道を覚えさせないようにと。ちょっと記憶を操作させてもらったが】


 俺は少しぼーっとしているためか、その意味がわからない。


ルーは、


【そうか。それではっきりと覚えてないんだね。私、なんでここにいるのかって。その前もあまり覚えてないんだよねー】


ミーナは、


【ルー、それは涼の膝枕のせいだ】


ルーは、真っ赤になり、


【嘘!?私が涼さんの…えっ、ヨダレとか?寝顔とか?ぎゃー😱そんなのって!!恥ずかしい!!恥ずかしすぎる】


俺は、


【膝枕は何となく覚えているけど、その後が覚えてないんだよ…イテテ…】


ミーナは、


【メモリーコントロールって記憶操作の魔法の影響だ。膝枕しているルーの髪を優しく撫でていた涼、それを微笑ましく見ていたからな】


ルーは、顔を抑えて、


【汚点だー、そんな恥ずかしいこと…】


ミーナは、


【笑顔だったぞ。問題ないんじゃないか?それにヨダレは出てなかったからさ】







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