遍く“輝き”は、真贋を問わず
- ★★★ Excellent!!!
記憶を失った主人公の旅路はひたすらに陰鬱とし、黒白に沈んでいた。そんな情景は、「異変」を生き延びた作中唯一のアニマルガール・ヨウムの登場により色彩を取り戻してゆく。
青年は故人を模った塑像に過ぎなかった──サンドスターで形作られた。けれども”輝き”は真贋を選ばず生じ、その輝きにサンドスターは呼応する。共鳴は彼と彼女の強い意志により増幅し、物語を極彩色の結末へと導くのだった。
「けものフレンズ」に通底している生命讃歌とそれを底支えする”輝き”の永続性というテーマを再確認させてくれる、胸を打つ秀作でした。