おバカな王子に婚約破棄され、超貧乏男爵家の四男と政略結婚させられることになった公爵令嬢ロザリンダ。
男爵家はなぜここまで貧しいのか?
嫁いだ彼女には様々な問題が見えてきます。
いい人揃いの男爵家で、ロザリンダは持ち前の知性を生かし、領地経営に励みます。
おバカ王子の新たな婚約者となった聖女も悪い子ではなく、ロザリンダに協力してくれるのが胸アツです!
悲観的にならずに、ちゃんと努力できるロザリンダが、幸せを手にするまでの物語。
短編ですぐに読めるだけでなく、明るくて楽しいお話ですので、是非のぞいてみてください!
最初にタイトルを見て「令息で聖女(?)ってどういう意味なんだろう」と強く興味を惹かれました。
「男装している聖女と結婚する話なのかな」とか、色々想像力をかきたてられて、とりあえず読まねばという衝動に駆られることに。
主人公のロザリンダは強気な性格が災いして「悪役令嬢」のように認定され、追放まがいの境遇に置かれることに。
その先で辺境に住む貴族の四男であるシルヴィアンに嫁ぐことになる。
貧乏貴族のもとに結婚ということで不安を抱えるが、シルヴィアンと対面し、彼の身辺に咲き誇る美しい薔薇の数々を見ることに。
シルヴィアンはいわゆる「薔薇が大好きで、他のことがあまり目に入っていない」という、現代でいうところの「専門バカで社交性が低い人」のような要素があります。
ロザリンダがエネルギッシュなので、本来ならシルヴィアンが振り回されそうな雰囲気があります。でもシルヴィアンが危なっかしいので、ロザリンダが自然と世話焼きになって振り回される側に変わって行く感じもあり、読んでいて微笑ましくなりました。
まさに理想の二人、と言う感じで「内助の功」みたいにシルヴィアンを支えて行ってあげるロザリンダがとても好きになりました。そしてシルヴィアンも徹底して薔薇にこだわり続けるところが良いです。
パワフルでぐいぐいと続きを読まされ、楽しい雰囲気に満ちた作品。オススメです。