たとえば
たとえば蟻になれたなら
三キロだって歩きたい
たとえば
たがい違いで笑いたい
たとえば雷落とせたら
むっと睨んで怒りたい
たとえば鉢になれたなら
やらかい心で支えていたい
たとえば冬の鴉のように
お空のお怪我を隠して啼くよ
たとえば秋の茸のように
大地の涙を集めて実るよ
たとえば夏の
小川の棲み家に模様を描くよ
たとえば春の
まだ見ぬ白紙の絵筆となるよ
たとえ綺麗ごと
あの山々は善くならないけど
たとえ月夜のかげりのなかでも
あの星いくひら拾ってつむぐよ
たとえにならない悔しさ捨てて
勝手に足踏み進んでゆくよ
私がたとえば蟻ならば
草木をなだめて歩いてゆくよ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます