第18話

「僕の戦闘フォルムのウエディング!どぉどぉ?僕可愛い?」


「えー!めっちゃ綺麗ですよー!すごーい!」


「いーやーーそれほどでも〜!」


私達が戦闘を差し置いて会話してる間

リアは少しだけ、首を傾げる


「……はて、あの姿……どこかで……」


「それじゃあ渾身の技行っくぞー!」


スズランさんはそう言って

両掌を重ね、そこから少しずつ魔法のようなものを溜め出す

でも魔法ではない…?気功砲みたいなもの?

渾身というからにはとんでもないものが来そう…!


「必殺!ウルトラミラクルハイパーデンジャラスポンポコリンのとんでもやばやばな〜〜」


……い、いつ来るんだろう


「殺法ーーーーー!!!!!」


すごく大きな球型の気弾を放ってきた!

こ、これ耐えられなかったら

後ろの森達の被害がやばい!

食い止めなきゃ!と両手でその気弾を止めるが

流石というべきか、とんでもない火力だ

抑えてる掌が熱い…!少しずつ押されているのが分かる

でも……!


「諦めるもんかぁぁあ!!!」


気弾を抱きしめるようにして潰すことに成功!

服が焦げて、手も火傷の跡が出来ちゃった


「うわっ、すごーい!僕のウルトラハイパー……えっと、ハイパーやばやば殺法を受け止めるなんて!」


あの長い技名もう忘れてるし……

でも、耐えたから勝ち!だよね!


「素晴らしい!合格です!貴方なら、この城を救えますね!」


スズランさんはウエディング姿を解除して

私の手を取り握手をする

お喋りな人だけど、凄くいい人なのが分かる

と思ってると思いっきりハグをされる

うわっ!すっっっごく、フワフワぁぁぁ(៸៸ˆ>⩊<ˆ៸៸)


「……あの、もうよろしいですか?」


「えー今抱きついたばかりですよぉ〜嫉妬ですかメイドさぁん?」


「…………」


「こっわ、はいはい、離れます!離れますぅ〜!」


リアに引き剥がされた後

チラッとサンゴと目が合った

私、成長してるでしょ!という顔で見ると

「フンッ」とそっぽを向かれる

ううっ、あれでもまだダメか……


その後、スズランさんが城の状況を教えてくれた

王妃や召使い等は全部ゾンビのように操られ

家具や置物は霊のように蠢いているらしい

まずは、操られている人達を大人しくさせるしかないらしい

戦いの連続になるかもしれないけど……どうか穏便に済みますように

と思ってると、さっきから顔色が優れないリアがスズランに質問をしている


「あの、ゾンビ、というのは……」


「よくいるじゃないですか〜目ん玉が取れてる腐ったやつですよ」


「そういえば、リアって暗いとことか苦手だったよね!忘れてた!」


「い、いえ!お嬢様をお守りする立場で苦手とか言ってられません……!た、耐えてみせます!」


……本当に大丈夫かな


「んで、そこの魔法使いサンゴさんは着いてくるんですか?」


「こいつらと一緒に行くのは癪だから、私は私の目的だけ果たすわ」


「えー!一緒に解決しようよ!仲間は多い方が助かるし!」


「お断りよ、私は暇じゃないの」


「1人だと霊に取り憑かれるかもですよ?」


「ぐっ!……じゃああんたが一緒に来なさいよ人形!なにも7人全員一緒に行く必要ないでしょ!」


「それもそうですね!じゃあ勇者一行!また会いましょ!」


スズランさんはそう言ってサンゴと一緒に城の中に入る

私達も意を決して城に入った



【第18話 ウエディングドレスも着れる着せ替え人形】

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