第7話
リアの怪我を治すため
薬等に詳しい人がいるという
ワーデル村に向かった
その間にボタンとシンにはお互いのことを紹介する
「よく魔王軍って分かって協力してくれるね」
「カモミとは初対面から優しい人物ということは分かっているからな」
「流石カモミ、優しいの権化」
「や、やめてよボタン、当たり前のことをしただけだよ」
魔王軍は顔見知りだけど
今後襲われることは何度もあるだろう
でも私は、きっと皆やめてくれるって信じてる
「着いたぞ、ここがエーデル村だ」
色んな家が建ってる小さい村だ
近くのヒシンス城が陥落したとはいえ
ここに被害は出ていないようだった
村人に聞きまわり、村の最奥にある
大きい家に商人はいると聞いてすぐに向かった
「いらっしゃーい!武器でも薬でも何でもござれ!万事屋にようこそ!」
自分の体とほぼ同じ大きさのリュックを背負った
女の子が出迎えてくれた
万事屋、というだけあって、本当になんでもある
「怪我人がいて、少し診てほしい人がいるんだ。お願いできるか?」
「わぁ、なんて酷い傷なんだ、ちょっと待ってくれよ〜」
女の子はリュックの中から医療箱を取り出すと
何やら紐のようなものを機械につけた後
その紐の先端で、リアの体のあちこちを当てている
思わず私は女の子の近くまで寄ってみる
「あの、それなんですか?」
「ん?これかい?聴診器と言うんだ、一般的には心臓の音を聞くものだが、私の聴診器は体の何処が悪いかもこれで診れるんだ」
そ、そんな凄いものが…と思ってると
どうやらシンとボタンも初めて見たみたいだ
「す、すごいな。うちの王国でもそんな便利なものは見た事がない」
「そりゃそうでしょう!何せこれはうちが開発したものなんですから!」
「貴方が作ったの!?すごーい!どうやって!?」
「うちは錬金術が得意でね〜前世の…じゃなかった、うちの発想力で誰も創れないものを創れるのだ!」
錬金術……そういえば魔王城でも
ジャスミンさんが簡単な薬草を鍋から作ってたような…?
そこで見た事ない機械を創る天才から教わったって言ってた
多分、この人の事だ。名前は確か…
「名前…ワイスさん…でしたっけ?」
「おっ、流石にうちの名前も有名になったねぇ〜♪」
ワイスさんは嬉しそうに話した後
機械から一枚の紙が出てきた
紙にはどこの部位が酷いのか、等書かれている
「うーむ、こりゃ参ったなぁ」
「リアは治るんですか!?」
「かなり高度な薬を使えば治る……が、今予約が入ってるこの薬で材料を切らしていてねぇ」
そう言って取ったひとつの薬草を見て
シンは「それはあまり手に入らない代物じゃないか!」と驚く
じゃ、じゃあリアは治せないの…?
「幸い薬の出処は掴んでいるが…そこは大量に魔物がいて……」
「カモミ、私達なら取りに行けるんじゃない?」
「そうだよね!ワイスさん!その薬、私達が取りに行きます!」
「おお!行ってくれるのかい!道案内は私がしよう!付いてきてくれ!」
【第7話 錬金術が使える商人】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます