第2話
「ヒシンス城にお出かけですか?」
リアに髪をとかしてもらいながら
ボタンに教えて貰ったことを話した
「勇者の剣、私も耳に挟んだことはありますが、それ見てどう為さるおつもりですか?」
「せっかくだから触ってみたいじゃん!」
「旅行感覚とはいえ…人間の見た目をしてるお嬢様ですが、バレる危険が伴うと思いますよ?」
「大丈夫だよ、リアがいるし」
「何も理由になってません……はぁ、分かりました。明日私もついて行きます。お嬢様の準備もしておきますね」
「ありがとうリア!おやすみなさ〜い」
えへへ、明日楽しみだなぁ
次の日、リアに起こされる1時間前に起き
自分のタンスを開けて自分で服を選んで着替える
1人で準備を殆ど終わらせた頃にノックが聞こえる
「お嬢様。おはようございます。お食事の用意が出来ました」
私がまだ最後のチェックでバタバタしてると
リアはそっと隙間から覗いてきて
私の姿に驚き、勢いよくドアを開ける
「お嬢様!?もう準備終わったのですか!?」
「あ。リア〜おはよぉー、楽しみすぎて早く起きちゃった♪似合ってるかなぁ?」
「とてもお似合いですけど…それならお呼びして頂ければ良かったのに」
そう言ってリアは私の荷物を確認して少し顔をしかめる
「この道具とこの道具はいりません。あとこれもこれもないですけど」
「うぐっ!慣れないことするのはダメだねぇ〜」
結局荷物は殆ど変わってしまったが
急いで朝ごはんを食べる
その途中でパパも入ってくる
「おおカモミ、今日は早起きだね。どこか出かけるのかい?」
「うん!ヒシンス城に行くんだ!」
「私の城のすぐ近くか…珍しいね。何をしに行くんだい?」
「あのね、勇者の剣を見に行くの!」
私がその言葉を言った瞬間
パパの表情が一気に曇った
凄く、驚いてるのが分かる
「な、何故勇者の剣を…?」
「え?せっかくだから触ってみた「今すぐにやめなさい」」
私が最後まで言い切る前に
真剣な面持ちで静止する
パパのこんな顔は初めて見た
いつもどんなこと言っても否定しなかったのに
「え、どうして……?」
「あそこは選りすぐりの騎士たちがいる場所、もしカモミが魔物だとバレたら、無事では済まないだろう」
「そんなの…大丈夫だよ!私が人間の見た目と瓜二つなの、パパも知ってるでしょ」
「それはそうだが……何がきっかけになるか分からない、今すぐにやめるんだ」
パパがここまで言うのは何か理由がある
でも私は初めて止められたという事実に腹を立てた
「別にいいじゃん!パパの言うことなんて聞かない!リア行くよ!」
「え、お嬢様!?お待ちください!」
私は何かパパが言っているのも聞かず城を出る
…いいもん、ヒシンス城に行っても何も無いって証明してやるんだから…
「ちょっと、いいの?本当に行かせて」
「……もう、そんな時期なんだね」
「まあ、16歳だからね、反抗期にもなるよ」
「いや、そうじゃない……ジャスミン、例の計画、もう進めなければならない」
「例のって……もしかして」
「あぁ、『復活』の時は近い」
【第2話 初めて】
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