第5話

試着してみたけど、あたしの身長では丈が長すぎた…。



…マキシ丈だからね。



こんなことはよくある。



気に入った洋服があっても丈が合わなかったり、裾を切ってもらわないといけなかったり…。


背が低いと…なにかと不便。




結局、あたしが買ったものは、ヒールの高いサンダル。


白のワンピースと、レースのカーディガン。



由香里は、ダメージの入ったスキニーとカーキーのショーパン。


そして、ペイズリー柄のマキシ丈ワンピを買った。




ショッピングも終わったところで、あたしと由香里は近くのカフェに入った。



ここでも、あたしと由香里に違いが出る。




「キャラメルマキアート、1つ!」



甘い甘いキャラメルマキアートを注文したあたしに対し、由香里はと言うと…。



「アイスコーヒーをお願いします」



しかも、砂糖やミルクは入れずにブラックで。



由香里って、そういうところが大人っぽいんだろうな。



由香里は、あたしみたいに小さくて童顔なのがいいって言う。


でもあたしは、由香里みたいに大人な美人になりたいと思う。




注文の品を受け取って、あたしたちは窓際の席に座った。



今日は猛暑日で喉が乾いてたから、キャラメルマキアートがさらにおいしく感じる。



「そういえば、ひな。バイトの面接はどうだったの?」



話は、あたしがこの前面接を受けた、家庭教師のバイトのこと。



「あ~!あれね、昨日返事がきたよ!」


「で、どうだった?」


「バッチリ、受かりました♪」



あたしは由香里に向かってピースした。



「よかったね!」


「まぁ、友だちの紹介だからねっ」



友だちの紹介というのは、高校のときの友だちから、「週1回でいいから家庭教師をやらないか?」という誘いがあった。

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