ジャンル
ネットの時代になって発表する時には自分でジャンルを決めなければならない。莫大な作品が並ぶネットアーカイブではしっかりジャンル毎にラベルを貼らなければ読者に見てもらえないからだ。皆が違和感なくジャンルを受け入れて、そのジャンルに合わせて作品を書いている。これも罠だ。
ジャンルになろうとしなくていい。SF、ミステリー、恋愛。作る側は守ろうとしなくてよい。なぜかと言えば新しいものを作る姿勢と逆行するからだ。ジャンルに乗っ取った書き方をするということはこれまでの作品の模倣になる。独創性が失われてもったいない。最良は作品が出来上がった時に読んだ人が後からジャンルを決める形。書いたら任せた!それでいい。
ならジャンルを無視するべきなのか?概ねそうだ。気にせずに真っすぐ自分の作品を書けばいい。良いものが書きあがったら読んだ人がこれはなんだと、適切な本棚に収めてくれる。だけどそうはいかないことも多い。
まず情報を遮断することは不可能だ。現代を生きていれば嫌でも自分の書きたいものと似た書き物が目に付く。なので気にせずということがまず難しい。
次に紹介する必要があるからだ。
「これは〇〇について書いてます。こういう舞台でこういうキャラクターがこういう出来事に巻き込まれていきます」
「これは面白いミステリーです」
便利だ。
最後に今までにないものを作る、ということを効率的にするのなら今までどんなものがあったのかを理解すべきだ。科学のジャンルの研究を必死に頑張って「青色発光ダイオード」を今年独自に完成させた人がいたら悲しい。もうやらなくて良いことを確認すべきだ。きちんと確認すれば誰かの焼き増しに時間を割くことはなくなる。おおよそ近いジャンルの今の最先端を読んだら誰より早くその先の先を思いつけるかもしれない。同じ流れを汲んでより早く先へ進むという選択がとれる。
ジャンルは自分で決めなくていい。むしろ捉われず自由に書く姿勢は新しい可能性を多分に含んでいる。しかしジャンルに無頓着でいていいわけではない。心血注いだ創作物が大昔の再発見かもしれない。もし事前に知っていれば再発見ではなくVer2や3を作れていたかも。効率的に進むには理解が必要だ。そして発表する段階になるとジャンルは助けになる。ネタバレなく読者に訴求できる。
ジャンルは都合よく使うといい。読む側が楽に本棚の整理をするためのものだ。作り手にとっては都合の良い時だけ利用する便利な存在、それがジャンルだ。
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