第8話 崩壊音(超絶改変)

ひなたが家に来てから俺はひなたを見る。

そんなひなたはお茶を淹れてくれた。

それからお互いの前にお茶を置く。

そして俺はひなたが座った所で聞く。


「それで...アイツとは血が繋がっているが父親が違うって話だったな」

「そういう事だね...うん」

「...はぁ...面倒な事になったな」

「私は嬉しいけどね」

「嬉しいとは?」

「私は...お姉ちゃんとはあまり血が繋がってない方が嬉しい」


そしてひなたは沈黙する。

俺はその姿を見ながら「...お前も大変だな」と呟く。

するとひなたは顔を上げてから首を振った。

それから「お兄ちゃんとお姉ちゃんの関係性の事さえ...解決できれば何でも良いや」と言ってから俺を見る。


「...お前...」

「私はお姉ちゃんを蔑視している」

「...そうだな」

「...あの人は最低な真似をした」


それからひなたは「...私は知った事では無い」と強く怒りを見せる。

俺はその言葉に「...まあな」と言いながら肩をすくめる。

そして俺はお茶を飲んだ。


「...ねえ。お兄ちゃん」

「...ん?」

「今の現状を打開するの...お兄ちゃんも手伝ってくれる?多分、私達だけじゃ厳しいから...私達とお兄ちゃんで打開したい」

「そりゃ協力するよ。...俺をずっと助けてくれたんだから」

「有難う。お兄ちゃん」


俺は頷きながらひなたを見る。

ひなたは少しだけ恥じらいながらもはにかむ様な笑顔を見せた。

それから幸せそうな目をする。



白石ひなたという名前は...ひなたの様に暖かく、と名付けられた。

そして私はそんなひなたの様に暖かく育った。

今に至るまでは、だ。

私は...お姉ちゃんに強い怒りを覚える。

向日葵お姉ちゃんとお兄ちゃんと...復讐する。


「お兄ちゃんは将来とか考えているの?」


私はお茶を飲みながら羊羹を食べる。

それからお兄ちゃんにそう聞いた。

するとお兄ちゃんは「...そうだな。...取り敢えず落ち着いた感じで医学部に行きたいな」と笑みを浮かべる。


「そうだね。お兄ちゃんは医者を目指していたね」

「人を救いたくてな」

「私的に言うと合ってるよ」

「...そうか」


お兄ちゃんは恥じらいながら羊羹を食べる。

私はそんなお兄ちゃんを見ながらお茶の茶柱を見る。

それから私は「お兄ちゃん。私は将来の夢が決まらないんだけど...どう思う?」と聞いてみる。

するとお兄ちゃんは「そうだな...お前のやりたいっていうか好きなものは何だ?」と聞いてきた。

私の好きなもの?


「...私、動物が好き」

「...じゃあ獣医師とかどうなんだ?」

「それは考えたことが無かったかな」

「...大変らしいけどな」

「大変だろうね。全ての動物を...相手にしないといけないイメージがあるから」

「...お前ならやれそうな気はするけどな。...頑張り屋さんだしな」

「私?私は...そんなんじゃないよ」


私はそう否定しながら俯く。

すると「...今のモヤモヤが終わってから...将来を考えたら良いんじゃないか」とお兄ちゃんが言ってきた。

その言葉に顔を上げる。


「...俺は...八女をどうにかしないとって思っているし」

「そうだね。それは同じ意見だよ」

「...それから、だな」

「そうだね...」


私はそう返事をしながらお茶を飲む。

お茶が無くなった。

それから私は深呼吸をした。

そして暗くなる外を見てから「そろそろ帰るね」と立ち上がる。


「...ひなた」

「...ん?」

「俺はお前自身は焦らなくて良いって思っている。...じっくり考えてから結論を出したら良い」

「...ありがとう。お兄ちゃん」


それから私はお兄ちゃんと指切りをしてからそのまま玄関まで行き外に出る。

お兄ちゃんは表まで私を見送ってくれた。

そして手を振ってくれる。

私は手を振り返してから空を見上げた。



たった一回の一翔とのセックスで何でこんな痛い目に遭わないといけない。

そう思いながら私はイライラを重ねる。

それから私は布団の中でスマホを見ていた。

向日葵から全てを聞いた両親は激高しビンタまでしてきた。


「...向日葵と...ひなたのせいだ」


そう思いながら私はイライラしたままスマホを弄る。

それから私は(向日葵。貴方は最低だね)と書いて送信する。

見てくるかどうかは別にしてもイライラする。

そして暗い部屋の中、私はスマホに注目していると(お姉ちゃん。全て貴方が悪いですよ)と書かれた。


(私は貴方を信頼していましたし貴方を結構敬っていました。だけど全て裏切った挙句。...浮気?絶対に許さないですよ。お父さんとお母さんには絶対に知らせないと思いました)

(...貴方のせいで全て崩壊していっている)

(それは自業自得でしょう。貴方が私達を裏切ったんだから)

(...たった一回...別の人と...)

(一回だろうが何だろうが貴方はセックスしたんですよね?別の人と。...貴方はもう地に落ちた)


私はイラッとしながら文章を読む。

それから向日葵は(それから情けで知らせておきますよ。...貴方と私達は余り血が繋がってない様ですよ)と書いてく...は?

私はガバッと起き上がる。

は?


(どういう意味)

(貴方は母親に似た様ですね。...浮気性なのも。...貴方は叔母さんの娘だって聞きました。...こっそりですけど)

(...私があんな醜いのと?そんな訳...)

(私は嘘は吐きませんよ。...私達を裏切るのは必然だったって事ですね。赤ちゃんの時からこの家に来たみたいですけど)


その言葉に私は唖然としてから一階に駆け降りる。

それから全てを聞く。

すると母親は簡単に認めた。

私が娘でない事を。


「...お母さん...そんな事って...」

「というか...浮気性なのはどうして貴方まで...」


母親は悲しげな感じを見せる。

いや。

泣きたいのは私なんだけど。

そう思いながら私は全ての崩壊の音を聞きながらドアを開ける。

そしてその場を去った。


「...私はどうしたら良いの」


そんな事を呟きながら私は鮫島一翔に文章を打って送信する。

それから答えを待った。

全てが地に落ちる様な...感覚だった。

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