第3話 ぶち殺したいですけどね?(超絶改稿)
「先輩。お外が真っ暗ですねぇ」
「だ、だからどうした。一体お前はこの場に何しに来たんだ」
「夜といえば何でしょう?」
「分からない。...夜といえば...何だ」
「正解は先輩を襲う事です」
だろうとは思った。
寝ようと思った俺は顔を引き攣らせながら向日葵を見る。
向日葵はニコニコしながら俺を見ている。
俺はその様子に「...」となりながら何をされるか分からない恐怖で汗を流す。
「そういうのは...だから...」
「...襲うのは冗談ですよ。...私がこの部屋に来た理由は分かります?」
「...お前の姉への復讐とかを考えましょう的な感じか」
「ピンポーン大正解。復讐を兼ねて考えましょう」
俺は無言で向日葵を見る。
向日葵は「私はこのまま終わらせる気は無いです」と柔和になる。
「絶対に許しませんよ」と笑顔になった。
俺は「...SNSにでも投稿するのか」と聞く。
すると向日葵は首を振った。
冷酷な顔をする。
「徐々に地獄を見てもらいましょう」
「...」
「私の大切な人を裏切った罰はきっちり受けてもらいます」
「向日葵らしいな」
それはあの時もそうだったしな。
考えながら俺は向日葵を見る。
それから俺は「確かに許せないな」と言う。
向日葵は「でしょう?」と笑顔になった。
「会いたくない気持ちが沢山だけど...考えれば許せんわな」
「貴方の友人と浮気してセックスした馬鹿野郎ですしね。ただ単にSNSに投稿しては面白みが無い」
「...で。具体的にお前ならどうする」
「そりゃ勿論。...攻撃します」
俺は「...」となって沈黙する。
向日葵は「先輩はどういう痛めつけが良いですか?」とニヤッとする。
その言葉に俺は顎に手を添える。
「...正直考えが及ばないので回答出来ないが...俺としては奴をこの勢いで退学とかさせてみたい。恨めしい」
「なら学校に証拠集めて送付しますか」
「それが良いかもな...しかし。あくまでお前らの姉だろ。お前らにダメージが」
「私達はどうでも良いですよ。...先輩の事が優先です」
「...風邪引いているし取り敢えず全快したら復讐、だな」
そして俺は冷めた目をする。
クソッタレ女が。
そう思いながら、だ。
向日葵は「流石先輩です」と笑顔になる。
俺は向日葵を見てみる。
向日葵は「恐らく日向も協力します」と言いながら俺の手を握る。
そして「一緒に復讐しましょう」と静かな笑顔を浮かべた。
「だが俺はなるだけお前らの力、借りないよ」
「...それは何故ですか?」
「何故ってお前らが犠牲になるのはな。俺がしないと」
「いえ。私も関係あります。...だって先輩が好きなんですもん」
「これ以上犠牲は増やしたくないってのもあるんだが」
「分かります。...だけどこのまま先輩だけ動かす訳にはいきませんよ」
そして向日葵は俺の横にどしっと腰掛けた。
ベッドが軋む。
俺は目の前を見る。
そこに写真が何枚か飾られている。
俺と...向日葵と日向の写真...八女の写真もあったけど捨てた。
「先輩は1人で何でもできるって思っていますね?だけど危ないです」
「...」
「幸せへの一歩です。犠牲は伴わないと」
「...お前は変わらずの精神だな」
「怒り頂点。マックスですからねぇ」
「その怒りで殺すなよ」
「本心では殺したいですね」
「私の姉なのに...こんな真似をしやがって」と静かに怒る向日葵。
そして「...これからお前はどう接したら良いか考えているのか」と聞いてみる。
すると向日葵は苦笑してから「まあ家に帰りたくないですねぇ」と言った。
だろうとは思うけど。
「...家に帰りたくないんだな」
「自らの姉ですしね。汚らわしいし帰りたくないです」
「...先輩なら...どう接します?」
「俺か...そうだな。絶縁かな」
「でしょうね。やっぱりそうなりますよね」
「そうだな...ああ」
そして向日葵は何かを決意したかの様に立ち上がる。
それから「先輩。早めに寝て下さいね」とニコニコと俺を見る。
俺は「もう良いのか」と聞いた。
向日葵は頷く。
「あ。そうだ。寝る場所、リビングをお借りします」
「アホか。それじゃそれこそ風邪引くだろ...ここで寝てくれよ。親も遅いし」
俺は布団を奥の方から持って来る。
向日葵は目をパチクリしながら俺を見る。
「もしかして本気で襲う気ですか?」と胸元を隠しながら言ってくる。
何を言ってんだコイツは。
「アホかお前は」
「まあ冗談です。懐かしいですね」
「...確かにな」
「...」
そして向日葵はパジャマに着替えてくる。
俺はその姿を見ながら笑みを浮かべた。
電気を消す。
それから...あ。
これはいけない。
「向日葵」
「はい。何でしょう?」
「ベッドで寝ろ。お前は客人だろ」
「そこは先輩の場所ですからねぇ」
「いやいやそういう訳には」
「まあまあ。それは置いて。しかし先輩は大胆ですね」
「...何がだ?」
「いや。この部屋で寝ろだの言ってますし」
「...あ」
言われて気が付いた。
年頃の男女が2人で...確かにこれは大胆かもしれない。
風邪で頭がぼんやりになっているから考えてなかったのだがありえないだろ。
そう思いながら慌てて向日葵を見る。
向日葵はモジモジしている。
「...でもぉ。そういう先輩も好きですけど」
「や、やっぱり俺がリビングで寝るよ」
「駄目です。...先輩の風邪が悪化したらどうする気ですか?アホですか?」
「し、しかしお前な」
「良いですから。お互いに何もしなければ良いんですよ。ね?」
ウインクする向日葵。
そして俺達はそのまま同じ部屋で寝る事になってしまった。
だけど全く寝付けない。
女子が...成長した女子が一緒って。
これマズ...良い香りだし。
ぐぅ。
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