第3話

本当に、衝動的だった。


どう見ても20代半ばにしか見えない服装に着替えて、サングラスを装着し。

パスポートと5万円が入ったお財布をバッグに入れて、私は羽田空港国際線ターミナルまで来ていた。



『……はぁっ』



衝動的にしては、あまりにも行動力のありすぎる自分に少し呆れる。

悔しいけど、私の行動や思考は、ほとんどパパ譲りだった。


待合席に座ってこの後の行動をどうしようか悩んでいると。



「無能なやつはいらない。出来るのか、出来ないのか」



片手に電子パッドを、片手にスマホを持って。

容赦のない言葉を電話口にぶつける男性が、私の隣に座っていた。

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