第17話
駄目だ、話にならない。
居候させて欲しいなら、それ相応の理由を言うのは当然のことでしょ?それなのに、何も聞かずにお願いします、なんてのが通るわけない。
「悪いけど、うちには置けない。他を当たって」
ちょっと可哀想かなって思うけどね。
その歳で、行くところがなくて、見ず知らずの人にこんなことを頼まないといけないくらい頼る人が居ないってことでしょ?
でも、やっぱり私にも世間体ってのがあるから……、
「分かった」
「ごめんね」
「ううん、お姉さんは悪くないよ」
「そうだけど、」
「悪くないけど、悪者になって貰うしかないね」
え?今なんて言った?
私の聞き間違いだったのかな?そう思って男の子の方に視線を向けると、彼はニコっと笑ってから、スマホを手に持った。
「ちょ……っと、」
「警察を呼ぼう、それで昨日お姉さんにされたことを、」
「おおおおおーい、それってまさか通報するってこと」
「うん!」
信じられない、何て子なの。
可愛い顔して、恐ろしいことを言ってくれる。
「あのね、自分の言ってること理解してる?」
「してるよ」
「じゃぁ、言ってみて」
「お姉さんを脅して、家にこのまま居座ろうとしてる!」
「……」
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