第10話
今朝、あの後。
何だかんだ押し倒されてしまった私は、再び眠ってしまい、起きたら出勤時間の20分前になっていた。
5分でシャワーを浴びて、10分で髪の毛を乾かして、2分で着替えて、3分でメイクして。
その間、まだ私のベッドの中でゴロゴロしている彼に家の鍵をポストの中に入れておくように告げて、慌ただしく家を出て来たのだ。
こんなの田舎のお祖母ちゃんに知れたら、布団たたきでお尻を叩かれそうだけど。
いや、その前に会ったばかりの人を信用していいのか?って思うけど、緊急事態だったんだもん、仕方ないよね。仕事に遅刻するわけにいかないし。
「あい……?本当に大丈夫?」
「え?あ、うん、大丈夫だよ」
「そう?あ、ねぇ、メール!すごいことになってるよ」
「メール?」
首を傾げた私に、杏子はクスリと笑ってパソコンを指差す。
あ、そうだ、さっき日野さんが言っていたやつ!
「大反響だね、リクエストがいっぱいだよ」
「うわ~、嬉しい」
「ほら見て、熱烈なやつまで届いてる」
「熱烈?」
「これはもはやリクエストというより、あいに対するラブレターだよね、ほら見て」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます