命の旅

山のふもとの猫宿常念

救い出したひとつの命。そして、家族が増える。

第1話 全ての始まり

 ある日、流久は親が共働きになるため、児童クラブを探していた。


 そして、親が勝手に決めたのは『児童クラブと児童養護施設の併設型施設』であった。


 本当であれば、児童クラブなんて行きたくなかった。


 全然家にいれたのだ。

 親が勝手に決めたことなので反論もできない。


 でも、このあたりの歳になると、小さい子も可愛く見えてくる。


 それに免じて、行くことになった。



 ✳



 今日から体験として入る。


 これがつまらないことよ。


 家に帰りたい。


 そんなことをぶつぶつ思っていると、謎の気配を感じた。


 俺は、小5だ。確かここは児童クラブでは、小6までのはずだ。


 と、気配の方へ視線を向けた瞬間。流久は、見なかったふりをした。


 この街の何処かで聞いた覚えがある。


「全てがやばいやつがいる」と。


 顔はガンギマっていて、髪は、金髪。

 普通にヤンキーにしか見えない。


 しかも一人じゃなかった。


 多分1番目が本家であろうが、本家の手下的な感じだ。


「うわぁ、最悪。」

 と、本音が漏れそうになったが抑え込む。


 多分、言っていたら飛びかかってくる。


 多分今の奴らは、児童クラブだな。


 そういえば、ここ孤児園でもある。

 小さい子の可愛さで気まずさを吹き飛ばしたい。


 小さい子の方向へ目をやる。


 年代的に孤児園は、1〜10歳くらいまでかな?

 それ以上は、他の施設にいるのかな?


 とも思った。


 そんな計画も崩れ落ちる。


 ヤンキー共に話しかけられてしまった。


「お前、新入りか?あぁ?」

『うわぁ、めんどくさいやつだ。』

「っ…そ、そうですけど…。」

『やべぇ、噛んじまった』

「おい!ここをなめんなよ!」

『もちろんなめてます。なんつって』



 ✳



 なんとか振り切った。


 今度こそ、と思ったとき先生らしき人が出てきた。


「本日は、新メンバーを紹介します。じゃあ、流久さんでてきてください。」


『おいおいまてまて、聞いてないぞ!流石に一言先に言っておけよ!』


 そう思いつつ渋々出ていく。


 なんとか自己紹介をした。


 この後は、夢のようだった。

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