水底で笑む【カクヨムコン10 短編創作フェス⑥「骨」】

結音(Yuine)

 ぽきり、

 と、骨の折れた傘がそこにあった。


 今朝は、雨だった。


 息子に傘を持たせた。

 小学生の息子は、傘を持っていくと必ずと言っていいほど壊して帰ってくる。無事に帰ってきたためしがない。


 今回も、か……

 と、骨が一本ぽきりと折れた傘を手に取った。


 不燃ごみの回収日まで、置いておくか、と。

 そんな傘が何本も裏の物置に貯まっている。





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