薔薇の色

三七田蛇一

薔薇の色

薔薇の花は赤、青、黄色と様々な色がある。

だけど、人や草木は赤だと決めつけちゃう。薔薇色を赤だと願っちゃう。

それは、きっと「夢」に理由がある。

薔薇は誰にも見えないところで努力する。

土の中で根を張って、水分をたくさんほうばっている。

その姿に他の草たちは気づけない。

その頑張りに気づけない。だって、薔薇は注目の的で木や草花の「夢」だから。

だが、薔薇は孤独である。

輝いている花々はそういない。加えて、薔薇は一輪で咲いている。

薔薇はその気高さと他の草花と一緒になりたいという気持ちが複雑に絡み合い

どうしていいか分からなり、他人まで傷つけようとしちゃう。

だから、薔薇には「緑色の刺」がある

ーそんな苦しむ薔薇を見て人は手を差し伸べたくなる。

 薔薇にどんな花を咲かせればいいのか考えたくなっちゃう。

 緑色にしようか?

  草木と同じ色であるから。

   しかし、気高くありたい薔薇の気持ちを無視してる。

 白色にしようか?

  ガラスのように透き通った色をしているから。

   しかし、根を張って水を集めた薔薇の努力は真っ白とはいいがたい。

 青色にしようか?

  青春のように薔薇は美しい。

    しかし、青ざめて苦しむ薔薇にはふさわしくない。

 黄色にしようか?

   希望のように輝いている。

     しかし、輝く薔薇は孤独であり、相反する。

悩んで、悩んで、悩み切って、ようやく人は思い出す。

  どんなに辛かろうが苦しかろうがそれらをすべてバネにして

   薔薇は頂点で咲きほっこた。

  その頂点には何も無かったかもしれない。

  望んだ未来は無かったかもしれない。

   けれども、薔薇は今も夢見て燃え盛っている。

  そんな薔薇の雄姿に人や草木の心は暖まり、

  夢願う。ー『薔薇の色は赤であってほしい』と。

   

 

  

 

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薔薇の色 三七田蛇一 @minata3

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