第7話 永遠に続く未来
翌日、学校が終わると、僕はまた華乃と会う約束をしていた。放課後の夕日が差し込む駅前で、待ち合わせをしていた華乃を見つける。制服姿の彼女は、昨日と同じ笑顔で僕を迎えてくれた。
「待たせた?」
「ううん、私も今来たところだよ。」
僕たちは自然と歩き出しながら、昨日の話をしたり、くだらないことで笑ったりする。こんな風に話せる時間が何よりも幸せだと感じた。
「輝人、今日はちょっと寄り道しよう?」
華乃の提案で、僕たちは近くの小さな公園に向かった。そこには古びたベンチがあり、二人で腰掛けると、少し冷たい風が頬を撫でた。
「昨日のことだけど…なんか、夢みたいでまだ信じられないんだよな。」
僕がそう言うと、華乃は微笑みながら言った。
「私もだよ。でも、これが現実だよね。」
彼女の言葉に、僕は静かに頷いた。そして、ふとポケットに入れていた小さな包みを取り出した。
「これ、渡したくて。」
中には、華乃の好きな花をモチーフにした、小さなブレスレットが入っている。
「華乃がいつも笑顔でいてくれるお守りみたいなもの。これからもずっと一緒にいたいっていう気持ちを込めて。」
華乃は驚いたようにそれを受け取り、小さな声で「ありがとう」と言いながら、少し涙ぐんでいた。
「輝人…大事にするね。私も、これからずっと一緒にいたいよ。」
その言葉を聞いて、僕たちは自然と手を繋いでいた。冷たい風も、夕日の中の二人には全く気にならなかった。
その日の帰り道、華乃を家の前まで送ると、彼女が振り返って言った。
「輝人、これからもずっと一緒に笑っていようね。」
「もちろんだよ。俺が華乃を笑顔にするから。」
彼女は嬉しそうに微笑みながら、手を振って家の中へ入っていった。僕はその笑顔を思い浮かべながら帰り道を歩く。
心の中には確かな温かさが広がっていた。この日々が、これからも続いていくことを願いながら、僕は夜空を見上げる。
星が輝くその空の下で、僕たちは確かに繋がっている。どんな未来が待っていても、二人で乗り越えていける。
そして、その日から僕たちの物語は新たなページを刻み続ける。いつまでも幸せな日々が続くようにと願いながら──。
完
素直な想い 輝人 @nog1_love
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