猫になって苦手な不良に飼われる?!
煎餅うどん
第1話 猫になってしまった…
突然だけど、私、猫月美優(ねこづきみゆ)には苦手な人がいる。
(美)「ちょっと青山くん?!真面目に話し合いに参加して!!」
(青)「へいへい、まぁどうせ俺一人いてもいなくても差し支えねぇだろ、適当にさせてもらうぜ」
そう、この乱暴な口調の男の子、青山奏(あおやまかなで)くん、この人こそ私が今苦手な人としている子なのだ…
(美)「こういうクラス行事はみんなで参加していかないと!」
(青)「どうしようが俺の勝手だ、好きにさせてもらう」
この傲岸不遜なような態度が、私は苦手だ…
───────放課後───────
「美優、早く帰ろ〜」
(美)「あっ、ちょっと待って!忘れ物しちゃったみたい」
友達と帰ろうとしていた私は、教室に忘れ物をしていたことに気づく、そして私はその忘れ物を取りに行こうと教室に戻ってきたわけなんだけど…
(美)「…」
(青)「チッ」
教室には青山くんがいて、見るからに機嫌が悪そうにしていた、入っていける雰囲気でもなかったため、友達に先に帰って貰って少ししたら取りに行く事にした。
───────20分後───────
(美)「えーと…あったあった!」
私は忘れていた教材を回収してすぐに帰路に着く。
(美)「ふー、帰る前に気付けて良かったぁ…」
と思っていると、どこからか猫の鳴き声が聞こえてきた。
(猫)「にゃ〜」
(美)「可愛い…」
道の端にまだ小さな子猫がいた、私は野良猫を見つけるとつい見入ってしまう。
するとその時、体に電流が走った様な感覚がして、体から力が抜け落ちる。
(美)「えっ…なっ何?」
訳もわからず力の抜けた私はそのまま倒れ込み、そのまま意識を失ってしまった。
そして目が覚めると私は…
猫になっていた
(美優in猫)「にゃあああ!」((って、そんなわけあるか〜〜!!!))
そう言わずにはいられなかった、現実逃避くらいさせてほしい、何故私は先程見ていた猫になっているのか、理解が追いつかない状況になっていた。
(美)「にゃぁ…」((これからどうしよう…))
家に帰ろうにも猫の体、どうしようも無い状況下で頭を抱えるしかない中、突然雨が降り出した
ザアアアア
大雨である
(美)「にゃぅ…」((さ、寒い…どこか雨宿りできる所に避難させて貰おう…))
雨が降り急速に体温が低下した子猫(美優)は近くの公園の遊具の中に避難することにした
すると公園には、青山くんがいた。
傘もささずに雨に濡れてただ座っていた、どこか寂しげなその様子に、声を掛けずにはいられなかった。
(美)「にゃぁ?」((何かあったの?大丈夫?))
(青)「あ?なんだ?猫…お前慰めてくれてんのか?」
((((((そうだったぁ!!今私猫だった))))))
あまりに突然の出来事の連続に頭が追いつかずつい今私が猫であることを忘れて声をかけてしまった。
(青)「お前…居場所がないのか?」
(美)「にゃぁぁ…」((まぁ…猫だから行く宛が無いと言ったらないけど))
寒さと混乱のせいで伝わらないとわかっていても真面目に回答してしまう
(青)「そうか…じゃぁうち、来るか…?」
でも何となく雰囲気で察してくれたのかな…?青山くんはそのまま私を抱き抱え、家まで連れて行き、私の体を拭いて、ご飯をくれた。
(青)「確か猫はすっぱいのはダメだったよな…いちごで大丈夫か…あとでキャットフード買ってくっから今はこれで我慢してくれ」
(美)「にゃぁ…」((青山くんは動物には優しいタイプなのかな?))
そんなことを思いながら私は出されたいちごを食べる。
正直人間として食べていたものから来てくれた方が気持ち的には嬉しかったのでありがたかった、猫には甘味を感じるセンサーが無いと聞いたことがあるけれど、その時食べたいちごは、少し甘く感じた気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます