第28話

 最近、彼とはすれ違いが多くなった気がする。

 

 食事も別々に摂ることが多くなった。でもそれは私が変則的な生活をしているから。

 一言も話さない日も徐々に増えていった。それは私が朝の情報番組のマンスリーゲストになって、朝型に生活リズムを切り替えたから。


 小学校の頃からの腐れ縁で、一緒にいた期間がむしろ長すぎたんだって友達は言うけど……まあそれも一理ある。

 でも、本当にそれだけ?



 だから気づいたんだ。

 そんな違和感だらけの、とげだらけの思考になっていた私だったから。




 彼の部屋に置かれた小綺麗な紙袋の中には、緑色のハンカチが入っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る