第5話 初潮

 どうやって復讐をしてやろうかと考える日々が続きます。

 城の女中のフリをして忍び込んでいた間に得た情報で、母親は新たな悪策を練りました。

 情報とは王の正式な跡継ぎである王子が単独で城へと残り、本丸の護衛を任されている時があるということと、国宝級の大事な物が隠されているという秘密の部屋の在処です。


 一人の守衛を誘惑して、それらしい部屋の噂を聞きだしましたが、流石に明確な場所までその守衛も分かりませんでした。しかし消去法にて五つの場所程度にまでは絞れていたので、後は例の東洋人の出番です。


 この時点でこの東洋人も母親の手玉となっていて行動は思うがままでしたが、ただ今回は盗んでくるだけでなく捜索からの潜入となり、一つの条件を出してくるのです。それは、娘の一人を要求してきました。

 母親の最終的なプランとしてはこの東洋人も用が済めば殺す予定だったので、その要求も笑顔で快諾します。そうすることでこちらも更なる要求が可能になるからです。

 母親の追加要求は「時間」。

 娘たちの”初潮”が始まるまで待つということと、宝を盗んだ後の仕事を依頼しました。



 東洋人は仕事へのやる気も上がり、一月ほどで難なく国宝を手に入れてきました。


 その国宝とは「真理の鏡」。

 代々引き継がれてきた「鏡」を、城から盗み出すことが出来たのです。



 王は大変ご立腹し、時の責任者として正室の妃とその息子である長男を城から追放。時期後継者としての慈悲として、無事、盗まれた「真理の鏡」を取り戻す任を与え手にするまで城への帰宅は禁止されました。

 厳しいかとも思われますが、即刻、打ち首と処刑されるよりかは大分と慈悲深いのです。



 そうして、王子は鏡を探す旅に出ました。




 月日と年月は過ぎ、ローズが初潮を迎えました。

 活発で好奇心が旺盛なローズの方が、少しだけ成長が早かったようで母親は少しだけ焦ります。


「ローズや、これは天からの使命か、魔女の証か、どちらかはこれからあなたの決意次第なの。このことは誰にも、スノウにも内緒で言ってはいけません。母がもう大丈夫と言うまで、秘密を守りなさい。いいわね?恐ろしい魔女にバレてしまうと、ここまできてあなたを攫い連れて行かれるのよ?分かった??」


「はい。お母様」


 母親は計画がいよいよ佳境へと入って来たかと、重たいケツを上げるかのように眼差しが鋭くなっていきます。


 この過ぎ行く年数の間に、母親は追放されていた王の妃をなんとか見つけ出し既になので、もう後には引けません。


 それから毎日のように町のあちこちで、東洋人の噂と宝の在処を風評して回りました。

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