第2話 温情と恩賞

 スノウとローズはお花畑で遊んでいました。

 スノウはお花で冠を作り、ローズは蝶々を追いかけてます。


 それぞれで楽しく遊んでいますが、時折ローズがスノウの元へとやってきて捕まえた蝶やバッタを見せては喜んで、スノウは作った冠をローズの頭に被せて、二人で和気あいあいと遊んでいました。


 ふと、スノウは気が付くとローズが見当たりません。


 一人で不安になり、探しに周辺をうろうろとしていると、ローズがじっと佇んでいました。

 その視線の先を見てみると、背丈が自分達と同じぐらいの東洋人がせっせと倒れた倒木を押してます。どうやら長いお髭が木の下敷きになり、身動きが取れなくなったようです。


 二人はその人を助けようとしますが、まだまだ子供なために力不足。


 しかたなくスノウは持っているハサミで髭を切って、助けてあげました。


「・・・ったく、髭を切りやがって。もっと他のやりかたがあっただろう。全く、なんて日だ、くそ・・・・・・」


 東洋人は悪態を付きながらお礼も言わずに、右手には春爛漫な太陽の光でキラキラと輝かせる何かを握りしめて去って行きました。



 少し経ったまたある日。


 二人が釣りをしに湖へ向かうと、そこにはまたあの東洋人が畔であたふたと他喚いていました。よく見てみると、釣り糸が髭に絡まりその先には大きな魚が掛かっていて、東洋人は水の中へと引きずり込まれようとしていました。


 二人は考える間もなく、ハサミを持って髭を糸ごと切って助けてあげ

ます。

 すると

「くそ魚野郎め、俺を食うつもりだったのか?生意気な野郎め・・・お前たち!もっと早く助けんか!また髭を切りおって、しかも魚には逃げられたではないか!ったく・・・・・・」


 またまた東洋人はお礼も言わずに悪態を晒し、左手には虹色の輝く白い何かを握りしめながら去って行きました。



 そして翌日。


 二人は買い物へと町に出かける道中、大きな鳥が小さな東洋人を襲って餌にしようとしていました。二人は今までのことも考えずに鳥に立ち向かい、見事に追い払います。するとまたまたその東洋人は悪態を付きながら地面へと唾を吐きかけました。



 買い物も終わり、その帰り道。


 あの東洋人が光り輝く品々を並べて、それを意気揚々と眺めているのを二人は見つけて、その姿を更に後ろから眺めていました。

 恐らく、盗んだか悪事報酬として頂いたかをした物の品定めという所でしょう。


「・・・?!何見てんだ、嬢ちゃんたち!」


 東洋人は眺めている二人に気が付き、こちらへとやってきて同じ目線で睨みを利かせてきます。しかし、その背後から更にこちらへと勢いよくやってくる馴染の人がやって来て、二人はそちらに集中していたので小男の声は全く耳に入ってきませんでした。

 東洋人の小男がスノウとローズの元へとやって来ると同時に、背後の者も後に付き、その勢いのまま斧を振り下ろし小男は頭がかち割れ二人の視界から瞬時に消え、熊男の毛むくじゃらの下から微かに見える笑顔が二人を安心させます。


「やぁ、久しぶり、元気?」


 スノウとローズは喜び、小男の嫌な威圧は掻き消えて熊男に抱き着きました。



 近くに東洋人の住処があり、そこから熊男が盗まれたという「宝物」を見つけて、熊男は国へと帰ります。



 そうして、熊男は母親と双子の元へとやってきて約束通りお礼として、スノウは熊男の元へ、ローズは熊男の弟の元へ嫁入りしたのです。 


 熊男はこの国の王子様でした。


 自分の不始末により国宝を盗まれたとして、取り返すまで王に追放されていたのです。


 母親も娘たちと一緒に城へと召し抱えられて、スノウとローズの三人は幸せに暮らしましたとさ・・・・・・

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