第10話 一週間後
突如、異世界の“無人街”に迷い込んだ『結城イサト』は、『
その街の冒険者ギルドで、ギルドマスターの『ヘルク・クレイス』とギルド職員の鑑定士『ティサ』によって、【
しかし、何度鑑定しても『鑑定対象がおりません』という結果しか得られず、ティサは鑑定できなかったショックで落ち込んでいた。ヘルクはアカリ、アオリ、ミドリに、イサトを保護(という名目の監視)するように頼み込んだ。
その後、三人の実家である祖父ドリークスが営む薬屋(ポーション販売)に連れて来られたイサトは、その薬屋に店員として住み込みながら、この異世界について色々と知った。
【この世界の言語】
この世界の人々の言語は、一つの言語に統一されている。イサトは何故、別世界の人間と会話ができるのか訊くと、全ての『
【異世界の単価】
この世界の国々は単価統一されている。単位名は『ゼルド』。
10ゼルド(銅貨)=日本円で十円の単位
100ゼルド(青銅貨)=日本円で百円の単位
1000ゼルド(銀貨)=日本円で千円の単位
10000ゼルド(金貨)=日本円で一万円の単位
100000ゼルド(白金貨)=日本円で十万円の単位
【脅威ランク】
『
危険性皆無の
『
危険性皆無だが、決して手を出してはいけない
『
人を襲う危険性を持ち、討伐対象に認定された
『
集落・都市を襲撃する危険性を持ち、『
【地星神教とは】
この星の礎と化した女神『ステリア』を崇拝する宗教組織。世界各国で一つずつ支部を設置されており、絶滅危惧種の
【創世神話】
『
一柱は、
一柱は、
心優しきステリアは、二柱の
かくして、永きに
天を揺るがし、地を割る激闘の末、慈悲深きステリアは、その身に宿る全ての
イヴィリアが再び
そして、
一方、深き【
その悪しき
二柱の女神の
という神話が、『地星神教』によって、世界に語り継がれている。
こうして、あの日から既に、一週間が経過しようとしていた。
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「それでは、今回はこの鑑定用
「今度こそ、自分のステータスが表示されますかね?」
「キュウ?」
「勿論! 此処にある
ギルドマスターのヘルクに呼び出され、冒険者ギルドに赴いたイサト(ついでにカバン)は、ギルドマスタールームで再度、自身のステータス鑑定をされていた。
今回は
早速、全ての鑑定用
『鑑定対象がおりません』
「……やはり、
「どうして…どうしてなの。鑑定率100%を誇る、貴重な
よりすぐりの希少な
「すまない、今回も君のステータスを測れなくて」
「いえ。こちらこそ申し訳ありません。折角自分の為に用意して下さったのに、それじゃあ、失礼します」
ヘルクは彼のステータスを測れなかったことを謝罪。イサトも申し訳なさそうに二人に詫びて、ギルドマスタールームから退室した。
「……あれから一週間か。アオリからの定期連絡によれば、ドリークスさんの店で何のトラブルも無く、キチンと働いているらしいな」
イサトが退室したのを確認して、ヘルクはアオリから渡された一週間の定期連絡に目を向けた。そこには、彼に目立った様子はなく、黙々と働いていると記されていた。
「……ギルドマスター、あのイサトという男は本当に
「……?」
ようやく立ち直ったティサが、イサトにある疑問を真剣な表情で語り始めた。
「
「つまり…どういうことだ?」
「まるで…鑑定スキルが、彼そのものを認識していないような……」
「そんなわけがないだろう。【鑑定】はあらゆる生物と死骸、あらゆる武器と物体を鑑定対象とするスキルだ。イサト君の【閲覧妨害】が、他の
「……そう、ですよね」
「早速で申し訳ないが、数日前に三人が調査した“無人街”が……一夜にして消失した事態を、他国の冒険者ギルドに連絡しておいてくれ」
「了解しました」
ティサの出した結論を、ヘルクは「それはありえない」ときっぱり否定した。そして彼は、アカリ・アオリ・ミドリが調査した“無人街”が、イサトの
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一方その頃、ギルドマスタールームから退室し、ギルド内の廊下を歩いていたイサトは、依頼ボードの壁に設置された依頼用紙を眺めていたアカリ・アオリ・ミドリを発見する。彼にいち早く気付いたミドリは二人に伝える。
「あ~、二人共~、イサトくんとカバンちゃんが戻ってきたよ~」
「随分早く戻って来たわね」
「イサトさん、ギルドから
「……ダメでした」
「キュウ……」
ステータスが開示されたかどうかアカリに訊かれ、イサトは駄目だったと伝えた。
「え~、それでも見れないの~?」
「幾ら何でも、貴方の【閲覧妨害】は強力過ぎない?」
「そんなの自分に訊かれても……」
イサトは頭の中で、(俺のスキルは一体何なんだろう? 何で俺だけステータスが表示されないんだ? 【閲覧妨害】のほかに、別のスキルが鑑定を邪魔しているのか?)と考え込んでいると……
「いい加減にして下さい!! こんな大量の素材、何処で入手したんですか!!」
「…ん?」
受付場所で働く受付嬢が、一人の冒険者を叱咤していた。
「いくら
「っ!!」
受付嬢はその冒険者を、
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