転生したら呪いの魔導具になっていました。

カエル

プロローグ  冤罪と転生

生前、私は数々の冤罪に巻き込まれた。真実は闇に葬られ、私は社会から見捨てられた。それでも、私は諦めなかった。いつか、真実が明らかになると信じて。しかし、その願いは叶うことなく、私はこの世を去った。


どれほど時間が経ったのかは分からないもしかしたら10分か15分かもしれないし、1日あるいはそれ以上の時間が経過したのかもしれない。気がつくと私は知らない天井を見つめながら暗い場所にいた。どこにいるのか、何が起きたのか、何も分からない。ただ、体中に重くのしかかる虚無感だけが私を襲った。

体を動かすことも音を発することもできずにただ時間経過とともに増していく何かを感じているとボロボロの布を身にまとった少女に拾われた。少女は、私のことを警戒しながらも、どこか寂しげな瞳をしていた。


「あなたは何?」


少女の声は、かすれていて弱々しい。私は自分のことを説明しようとしたが、言葉が出ない。なぜなら、私は人間ではなく、魔導具になっていたからだ。

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