主人公のよく通る街路の空き地は、
立地はいいのだがいつまでも売り出すつもりがないのか、更地のまま売り出しの看板も立てられることはなかった。
それ以上に、
夥しい数のカラス、そしてトンビが住んでいた。
まるで自分達の住居だと主張せんばかりに。
その場所が気になった主人公は、ついにその更地を調べて踏み込んでみるが……?
カラスは人の顔を二人まで覚えると聞く。
そして、義理堅く、毎日挨拶をしていれば向こうも好意的になってくれるようになり、
これは余談だがかくいう私も友達になったカラスがいる。
毎朝、部屋の前の手すりをコンコンと叩き、「来たよー」と言うように泣いては、
パンやら何やらを、止まっていた手すりの上に置いておいてくれるのだ。
……雑談がすぎたがそれくらい知能のある鳥なのだ。
自分達のテリトリーを持っていても、なんの不思議もないことである……。
果たして、カラスがその場所に集まっていた理由とは……?
ご一読を!!
序盤からとても「好奇心」をくすぐられる作品でした。
なぜか、カラスが大量に集まっている場所を見つけた主人公。そこには一体何があるんだろうと、どうしても心を惹かれて仕方ない。
そうして確かめようと踏み込んでいくと……。
この主人公の陥った感覚は、本作を読み進めて行こうとする読者の心情ともリンクしていくように感じられました。「好奇心」がきっかけとして、「どう見てもホラーな場所なのに先を見たいと思ってしまう」という感覚。
そうして辿り着いた先にあるものは一体何か。
主人公の語りが淡々としていて、それが好奇心、怖い物見たさを刺激した先でじわじわと読者の心を侵食していきます。
短い中でも強いインパクトと満足感の得られる作品でした。