韓流
風馬
第1話
私は韓流が好き。
私に灯をつけたのは「冬のソナタ」というドラマ。
画面に出てくるヨン様に心を奪われたわ。
その瞳、鼓膜をくすぐる様な声、その日の疲れを全て癒してくれるような笑顔。
ヨン様を眺めている時間は永遠であって欲しかった。
でも、テレビドラマ、ずっと長くは続かなかった。
始まりがあれば勿論終わりもある。
切なかった。
ヨン様ロスが続いたわ。
しばらくすると、新しいドラマが始まった。
韓国のドラマに出てくる青年はみんな爽やかで、笑顔がとても素敵。
そんな私は、もう、テレビで韓国に触れるだけでは気がすまなくなったわ。
そう、韓国に触れるために旅行に行ったわ。
日本が雅と言うなら、韓国はとても力強い国だと感じたわ。
言葉にとても力がある。
料理にもパンチがあるわ。
これを食べれば、冬の寒さもへっちゃら。
夏もスタミナ切れしないわ。
でも、おいしいご飯を食べたり、街を愉しんだりしても、日本に戻るときはとても切なかった。
記憶に留めておくだけでは物足りないから、お土産やグッズもたくさん買って帰ったわ。
家の中は韓国のものでいっぱい。
いっぱいあるように見えるけど、まだ、物足りないの。
どうしてかしら。
そうしているうちに私は、病院大学の理事長を務めることになったの。
隠れている才能かしら。
その大学は、国からの補助費が少なくなっていて、ちょっと、経営が難しくなっていたみたい。
私は考えたわ。
どうすれば、うまくいくか。
どんなに待っていても、白馬の王子様は現れてくれないし、私が出来ることからやってみたわ。
まず、節約ね。
ちりも積もれば山となるよ。
一日一円でも節約すれば、一年で365円。
使うのは簡単だけど、切り詰めるように指示したわ。
人件費の節約もそう。
これは、かなり効果があったわ。
病院に出入りしている業者の選定や、機械の導入も私がチェックするようにしたわ。
どんどん、わかる範囲で、改革していったわ。
一年、そして、一年と、年単位で経営は軌道に乗って行ったわ。
でも、困ったことにもなったの。
節約しすぎたのかしら。
なんだか、お金が余ってるの。
余ってしまうと、補助費が打ち切られると思ったから、知り合いの人に預かってもらったの。
名目は、私の相談費ってことで。
ただ、ちょっと預かってもらった額が大きかったみたいで、その人も困ったみたい。
その人、きっと、気が小さかったのね。
しょうがないから、私の口座に内緒で振り込んでもらったわ。
その人にも申し訳なかったから、すこしは、貰ってねってお願いしたけど。
このことは二人の秘密だったわ。
でも、秘密はいつか、ばれるものね。
いま、私は拘置所にいるの。
秘密は公に出来ないから、無論っていうか、絶対にいわないけど。
還流の容疑で捕まってるなんて、口が裂けても言えないわ。
韓流 風馬 @pervect0731
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