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「……やっぱり義務感じゃん」
誰もいない図書室で、この間話した内容を思い出していると勝手にそんな言葉が零れた。
優也は私を守ると言ったが、それは先代に言われたからであって優也の意志ではない。
優也と約束した先代……即ち私がここにいる原因とは、私の兄、相馬日和(ソウマヒヨリ)である。
ひよ兄は"あの日"のことをずっと後悔している。
私はもう良いって言っているのに、ひよ兄をはじめとする二代目達はそれを許さない。
blueのオーナー、葵さんだってその内の一人だ。
会うたび会うたび悲しそうな顔をされるのは、正直鬱陶しい。
ごめんねって言われるたびに感情が欠けていく気がした。
「過ぎ去ったことなんて変わらないのに。
ただの自己満足にしか思えない」
唯一優也達はそんなの関係無しで一緒にいてくれているんだと思っていた。
ひよ兄や葵さんみたく罪悪感とか義務感とか、そんなんで守ってくれてるんじゃないって信じてた。
ーーでも、やっぱそうじゃなかったんだね。
「私自身を求めてくれたんじゃなかったんだね」
そろそろ本気でおかしくなりそうだ。
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