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ーーーあの日もそうだった。
「ねー、今から青龍の倉庫行くけど来る人いるー?」
まるで「コンビニ行くけどー」みたいなノリで言った鶴に、取り敢えず溜息をついた俺。
いくら幼馴染といえども、こいつの言うことを予想出来たことは少ない。
まあ飽きないから良いけど。
「どーせ全員行くだろ、さっさと行こうぜ」
黒月は好きでつるんでた奴らが集まっただけだから8人しかいない。ま、俺的にはこんくらいが丁度良いんだけどな。
「青龍ってこの街のトップ?面倒くさ」
カフェオレを飲むキラ、本田煌(ホンダキラメ)はそう言いながらも行く気満々のようだ。
「「オレあいつらきらーい」」
今日も息ピッタリな梶原兄弟も、笑顔で悪態を吐きながら色違いのパーカーを羽織っている。
「あいつら、blueってカフェにもよく居るらしいぜ?俺ら二人はそっち行こっかなー」
「……」
「おいこらハル!嫌そうな顔すんな!!」
勝手に出て行ったあの二人は放っておこう。
全くまとまりの無い奴らを纏めるのは、全くまとめる気の無い鶴。
「じゃ、早速行きますかー」
「宣戦布告に」
ーーあーあ、鶴の奴スイッチ入ってやがる
俺はまた溜息を吐いた。
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