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「「リコッッ!!」」

「「「「リコさん!!」」」」




彼女、リコは肩で息をしながら入り口に立っていた。


その後ろを慌てて走ってくる渚。


「くっそ、渚なにやってんだ!!」


凛太郎の声にはなんで守ってないんだって意味が込められていて、それに顔を歪める渚を見ると切なくなった。





「来るなって言ったろ!リコ戻れ!」


優也が珍しくリコに声を荒げるが、ビクリと肩を揺らしながらも彼女は戻ろうとしなかった。


大きな瞳に涙を溜めながらずんずんと歩いて来る。黒月のメンバーは静かにそれを見ていた。



「リコッ!危ないから!!」


「来るなリコ!!」


「リコさんダメです!」


「リコさんっっっ!!」


凛太郎も優也もメンバーも、必死になって彼女を止めるが、それでもリコは止まらない。




そして、やっと紺野の前で止まると彼女は震える声で叫んだ。


「メイちゃんを離してよ!!」





ーーーーーーーなん、で?







何で彼女はこんなことをするのだろう

どうして自分の危険を考えずに動けるのだろう




リコの登場に急激に頭が冷えた私は、今度は止めどなく溢れ出す疑問でいっぱいだった。


紺野に担がれてるとかそんなこと

もう、どうでも良くなって。




「メイちゃんが何をしたって言うの!?メイちゃんは関係ないじゃない!!」



震える拳をぎゅうっと握りしめ、紺野を睨むリコ。

どうしてこの娘はこんなにも人の為なんだろう

どうしてこの娘は自分の為を考えないんだろう



「リコ……」

「リコさん、」


いくら彼女が私の為に一生懸命でも、

いくら周りがそれを見て彼女に惹かれていても







「……」




ーーーーー私にとってはただの有難迷惑でしかなくて






「……フッ」

思わず乾いた笑いが零れ落ちた。






貴女を守るために私がいるのに

どうしておとなしく守られてくれないの?




どうして自分勝手に動けるの?



「ただの偽善者じゃん」



ーーーーーー小さな私の叫びを

聞いてくれたのは誰ですか

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