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「おいっ!メイさんから離れろっ!!」



一瞬思考が止まってしまった私を、囲むように立ってくれるメンバーに心の中で感謝しつつ、今言われた言葉を頭の中で繰り返した。





ーー欲しい?私が?




一体漆黒の彼が何の為にどんな気持ちで言ったかなんて想像すら出来ないけど、



でも何でだろう。





その言葉がやけにストンと私の心に入ってきて、思わず手を伸ばしてしまいそうになる。

たった数分前に出会ったこの男に





ーー私を欲して




そう、願ってしまいそうになる。





倉庫には青龍のメンバーも黒月のメンバーもいるのに、私の目には漆黒の彼しか映らない。



濡れたようなその黒に、

漆黒の瞳に囚われた、その瞬間から。






「……、そんな瞳で見ないでよ。本当に攫いたくなる」





漆黒の彼は少しだけ目を見開いてから、小さく小さく呟いた。

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