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「わざわざ来たかいがあったね、雅」


「あぁ、そだな」



ケタケタと笑う漆黒の彼と興味無さそうに答える赤髪。



そんな赤髪を気にすることなく、綺麗に微笑む彼は私の元へスタスタと近付いて来た。





「今日は挨拶だけのつもりだったんだけどなー。でも仕方ないよね?君のことすっごい気に入っちゃったし」




ーーあれ、なんかヤバイかも。




ゆっくりと近づいて来るはずなのに、どうしてだろう。足が動かない。

逃げられない。



本能で彼はヤバイと分かっていてももうどうすることも出来ない。



だって、



「欲しくなっちゃった。青龍のお姫様」





漆黒の彼はもう目の前だから。

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