21


「おいっ!お前らここが何処か分かって来てんのか!!」


「出て行け。てめぇらなんか俺達の総長に会わせる価値もねぇ!!」


「さっさと帰れ!!」




どうやらこの倉庫に近付いてきた連中は青龍総長である優也に会いたいらしい。


まぁ、どうせ青龍を潰してトップに成り上がりたいなんて考えている無謀な馬鹿だろう。



ーーーーしかし





「残念。俺達はただ挨拶に来ただけ。

この街を仕切ってる総長さんに、仲良くしましょうねーってさ」





凛と澄んだ声は少し楽しそうで、なんだか拍子抜けしてしまった。



「あい、、さつ、、、?」



内容は勿論気になるけど、どうしてだろうか。

その声がやけに耳に残った。


気になって、どうしようもなくて、私は静かに部屋から出る。


下からは見えないだろう物影から覗くと、五つの人影が倉庫の入り口に見えた。




…………この街のトップにたった五人で?

待って、何かがおかしい。

あまりにも少なすぎる。




真ん中に立つあの男、

漆黒の髪をサラサラと揺らす彼が、きっとこのチームのトップなのだろう。


一番綺麗で一番冷たい空気。

何か他とは違う存在。


……とても目を惹かれる。

そんなことをぼーっと考えいたら










「……ぁ」






視線が合って、絡まった。

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