14
ーーーーーーーー
ーーー
ーー
「どうぞ」
いまだに震える彼女にホットミルクを出すと、少しだけ安堵の表情を見せてくれた。
あの後、タイミングよくやってきたリキ達に後始末を任せ、私達は倉庫へ帰った。
倉庫のシャワーを浴びさせ、私のスウェットを着ただけなのに、彼女はすごくすごく可愛らしい女の子で。
そんな彼女に頬を染める彼等を見て、私の中の体温がどんどん下がって行くような感覚がした。
「……ぁ、の、ありがとう……ございました」
小さく小さく呟いた声は、やっぱり彼女にピッタリの可愛らしい声。
「いや、当たり前のことしただけだし」
少し照れながら笑う優也の声は、いつもより何倍も優しいように思えた。
「で、でも!怪我、させちゃったし」
彼女は優也の肩に巻かれた包帯をみて、また涙を浮かべる。
「ちょ、泣くなって!!ほら!俺は大丈夫だかっ、つぅ!」
「だ、大丈夫ですかっ!?」
無理やり腕を回そうとして痛がる優也と、咄嗟にそれに駆け寄る彼女。
少しずつ、でも着実に距離の縮まって行く二人を見て、複雑そうに微笑む凛太郎と渚がいた。
その光景を見ている私はやっぱり傍観者でしかなくて。
この時にはもう分かっていたんだ。
ーーーーーーーあぁ、ここに私はいらない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます