11
私の声にハッとした三人は、すぐさま私の指差す方へ走り出した。
細い路地裏のその奥。
三、四人の男が囲む女の子を助けに。
下品な笑みを浮かべた男達と、涙を流し震える女の子。
男達がこれから何をするかなんて、考えなくても分かる。
「お前らっ!何やってんだ!!」
路地裏に優也の声が響いた。
その声に、間に合ったと一先ず安心し私はスマホを取り出した。
[あい!リキです!]
「もしもし、私。今blueからの帰りなんだけど至急車まわして。それと救急セットとタオル持ってきて」
[りょーかいしました!]
元気な声に、よろしくねと返そうと思ったその瞬間。
「キャッ!!」
「っ、」
「「優也!!」」
緊張感がその場を駆け抜けた。
「ごめん、急いで」
[あい!]
その空気は電話の相手にも伝わったようで、電話はすぐに切れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます