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「メイ」
二度目の私を呼ぶ声に振り返ると、今度は渚がそこにいた。
落ち着いた焦げ茶色の髪に同じ色の瞳。凛太郎とは正反対の、全然不良に見えない彼はいつも優しい笑顔をしている。
「オレ達今からblue行くけどどうする?」
blueは元青龍の先輩が営むカフェ。
路地裏の狭い入り口のせいか、お客さんはあまりいない。
オーナーの葵さんはとっても素敵な人なんだけどね。
「私はいいや。寝不足だから昼寝でもしておくよ」
ひらりと手を振って断ると、そっかと笑顔で返された。
それに私も微笑むと、彼等三人とリコは部屋から出て行った。
少し前まではリコのいた場所に私がいたのにな、なんて
つまらないことを考えてしまうのは最近の私の癖。
一人になるとそんなことばかり考えてしまって辛い。
でも、今は彼等と一緒にいる方がしんどいんだ。
窓から四人が楽しそうに歩いていく姿を見て、フッと笑みが漏れた。
「あぁ、眩しいな」
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