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「ーーィ!メイっ!」




「っ、なに?」


すぐ隣で聞こえた声に慌てて答えると、不思議そうな顔をした凛太郎がいた。



キラッキラの金髪に、ジャラジャラのピアス。

目つきも悪くて、喧嘩っぱやくて、この中では一番不良のくせに


「んだよ、ぼーっとしてさ。最近のお前変だぞ」


人をよく見ていて、そして心配してくれる凛太郎に笑みが零れる。



「ごめん。最近寝不足なの」



「寝不足?なんだよ悩み事か?」


だけど、私は平気で嘘を吐く。


「んーん。最近夜ずっと映画見ちゃうんだよね」



何でもないよって嘘を吐くんだ。






だって

「青龍の姫をやめたい」

なんて言ったら、みんな困っちゃうでしょ?

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